お知らせ
田子西第二「歌うこだまの会」
- 2025.10.8
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仙台市宮城野区にある田子西第二市営住宅にて、みんなで一緒に歌うことをたのしむ「歌うこだまの会」を行ないました。コロナ禍以後は年に1度の開催となり、お久しぶりの訪問でした。
音楽リーダーはソプラノ大河原真歩さん(仙台オペラ協会)とピアノ大岩千華さんです。いつも楽しい趣向を凝らすお二人、今日は鮮やかなブルーの衣装で登場して参加者の目を惹きました。「目覚ましい」とはまさにこのことですね。大阪万博のキャラクターをイメージしたそうですよ。歌う前にはストレッチ、ゆっくり伸びをして準備をします。大河原さんが「ピアニストは準備体操するんですか?」と質問すると、大岩さんは「しますね。私は脇腹をのばします」と答えました。鍵盤を右へ左へ、ダイナミックに移動するピアニストはアスリートでもあるわけです。
続く発声練習では、秋にちなんで虫の声を活用し、すばやく「かなかなかな…」と発音して滑舌をきたえるワーク、「み~んみ~ん」と鼻を響かせるワーク、そこから派生して「んだっちゃ!んだべっちゃ!」と仙台弁ならではの破裂音を多用したワークをおこないました。本日の課題曲は、リクエストにお応えして『旅愁』『見上げてごらん夜の星を』『あの素晴らしい愛をもう一度』です。大河原さんが歌の作られた背景や表現の細かいコツなどを説明しますと、みなさん「なるほど~」と感情が入って、歌がぐっと立体的になりました。男性が数名参加していたこともあって、歌声が豊かに響き、音楽リーダーのおふたりは「すごーい!」とおどろいていました。
後半のミニコンサートで、大岩さんは「今日は”猫のワルツ”を弾いてみたいと思います!」と、ショパン『ワルツ4番 Op.34-3』を演奏しました。たしかに元気な仔猫がじゃれたり走り回っている様子が目に浮かぶようです。ショパンならではの技巧的な軽やかさの中に力強さがあって、きらびやかな旋律ながら親しみやすさも感じられ、みなさんは「わぁ…」とため息と一緒に拍手を贈りました。
続いて、大河原さんは衣装替えして登場しました。裾の長いケープを付けたクジャクのようないでたちにみなさん「ええっ⁉」と息を呑みます。歌うはミュージカル「キャッツ」の『メモリー』。登場キャラクターの孤独と切なる願いがこめられたこの歌は、秋のセンチメンタルな気分を増すかのようです。みなさんは深々と聴いていました。
その後、カスタネットが配られて、みなさんにビゼーのオペラ「カルメン」の『ハバネラ』をご一緒していただきました。「タン、タ、タンタン」のリズムがやがて自由な感じにほどけていきましたが、演奏するお二人はリズムの乱れにつられることなく、きりっとした演奏で締め、喝采を浴びていました。最後はみんな一緒に『切手のないおくりもの』を歌って、なごやかにお開きとなりました。
お見送りをするお二人にみなさん笑顔で声を掛けていました。「すごい声だねえ」「ピアノ、すてきね」「この衣装、さわってみてもいい?」などなど、いろいろな声が聞こえてきました。楽しいひとときをどうもありがとうございました!