第1回 街なかコンサートを開催しました(3)
自動ドアが開くたびに吹き込む風の冷たさに肩をすくめながら、いよいよ最後の第三部が始まります。
第三部は「こーる・すまいる」の皆さんの歌声で始まりました。吹き抜けの空間とはいえ、1階の会場にはすっかり日が差さなくなっています。それでも「こーる・すまいる」の皆さんは寒さに負けずシャンと立ち、『遠い日の歌』『ふるさとは今もかわらず』『広い河の岸辺』の3曲を歌いました。こちらの合唱団の中には、東日本大震災で津波による被害を受けた六郷地区(仙台市若林区)の方もいらっしゃるそうです。かつてのふるさとの情景を思い起こさせるような曲に、きっと想いを乗せていらっしゃったのだろうと思います。
続いて『宮城県第三女子高等学校 校歌』から曲をスタートさせたのは「ラ エトワール」の皆さんです。今は校名が「宮城県仙台三桜高等学校」に変わっていますが、合唱の強豪校だった「三女」の校歌、会場には縁の深い方も多かったのではないでしょうか。その後も『小さな空』『しゃぼん玉』『ちいさい秋みつけた』『愛の讃歌』といった幅広い世代になじみの深い曲を合唱し、その歌声に耳を傾けながら一緒に口ずさんでいるお客さまもいらっしゃいました。
さて、コンサートもいよいよ終盤。トリを飾るのは男声合唱団「せんざん」の皆さんです。今回唯一の男声合唱団なだけに楽しみにしていた方は多く、出番を終えて控え室に戻ってきた女声合唱団の方も、「せんざんさん、聴きたいの」と荷物を手にして急いで会場に下りていきました。
曲は『高校3年生』『学園広場』『せんせい』の3曲。秋の午後に響く深い歌声に、団員と同世代の男性が足を止め、じっと聴き入っている様子が見られました。昼間にくらべてすっかり冷たくなった秋の空気が、より一層郷愁をかきたてるようでした。
最後にフィナーレとして、会場全体で『ふるさと』を歌いました。震災後多くの場面で耳にし、歌われているこの曲に抱く想いはきっと人それぞれでしょう。それでも出演者と観客が一緒になって声を合わせたこの日の『ふるさと』は、とても優しい響きで会場を満たしてくれました。
午後1時から2時間にわたり開催された第1回街なかコンサートには、10団体9組、150人以上の方にご出演いただきました。本番まで日数がない中での出演でしたが、日頃の練習の成果を発揮した素晴らしい歌声を、本当にありがとうございました。
コンサート会場では40人を超える方に賛同者登録をしていただきました。その後事務局あてに届いた申込書もあわせると、11月2日(月)現在の登録者は455人となりました。また、募金も8,905円集まりました。ご協力ありがとうございました。
今後も当市民会議では、様々な機会を通じて活動へのご理解とご協力を呼びかけてまいります。今後とも皆さまの温かいご支援をいただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。