お知らせ

川の上・百俵館「カワノカミ音楽会vol.9」

2017.10.14

宮城県石巻市の追波川運動場仮設住宅と、やがて400世帯の一大防災集団移転地区となる二子団地にほど近い百俵館は地域交流の拠点として将来を見据えながらさまざまな活動をしています。

季節に一度復興コンサートをおとどけしている「カワノカミ音楽会」は今日で9回目を数えます。本日は「仙台フィルメンバーによる弦楽三重奏の夕べ」と題し、ドホナーニ、シューベルト、シュトラウスなど本格クラシックプログラムが披露されました。
出演はヴァイオリン山本高史さん、ヴィオラ長谷川基さん、チェロ吉岡知広さんです。

男性トリオによる硬派でシャープな印象の中にも羽のように軽やかな調べや雷鳴のような力強い響きなどが垣間見える目覚ましい演奏です。さらには三種それぞれの楽器の音色の違いもくっきりと感じられて、弦楽四重奏とはまた異なる味わいの、濃厚なコンサートとなりました。

演奏後に或るご婦人が演奏家に話しかけました。「マイクやスピーカーを通さない生の音が聴きたくて来たの。その振動をじかに感じたくて…ほんとに素晴らしかった!」という情熱的なコメントに演奏家も笑顔になりました。更けゆく秋の夜、弦の調べに包まれた芳醇なひとときでした。