お知らせ

泉中央南「歌声サロン」_10月

2018.10.30

仙台市泉区の復興公営住宅で2015年10月から「歌声サロン」を始めました。
復興センターでは音楽家をコーディネートし、
泉中央南町内会と協働してこのサロンを運営しています。

日なたで動くと少し汗ばむくらいですが、吹く風の冷たさに秋の深まりを感じます。みなさん「寒くなったねぇ」と口々に言いながら、集会所に集まってくれました。ある方は石巻に用事があったところを、歌声サロンに参加するために午前中のうちにとんぼ返りしてきたとのこと。音楽リーダーのメゾソプラノ後藤優子さん・ピアノ田村聡子さんも、楽しみにしてくださるみなさんをお迎えするべく、会場を秋らしい小物やハロウィングッズで華やかに飾ってくれました。そんな部屋で準備体操や発声をしていると、あっという間に体が温まってきます。

 

田村さんが「この曲は歌うのが難しいんですよ。歌い出しのメロディは山を登ってるみたいでしょ」と語った『箱根八里』は半分ほどの方が初めて歌ったとのことでしたが、そうとは思えないほどの堂々とした歌いっぷり。勇壮なメロディは男性からの人気が高いそうで、こちらでも男性の参加者が元気に歌ってくれました。
次の『愛燦燦』は一転してしっとりと。秋は色々と物思うことも多い季節、そっと励ましてくれるような歌詞が心にじんわりとしみてきます。「最後の『人生って嬉しいものですね』という歌詞は、ぜひ嬉しそうなお顔で歌ってくださいね」という後藤さんの言葉に応え、すてきな笑顔で歌い終えたみなさん。優しい余韻のなかで、静かに涙を拭う人の姿もありました。

 

 

そのあとはお待ちかねのミニコンサート。まずは『ホフマンの舟唄』を、後藤さんと田村さんがデュエットで披露してくれました。ピアノを弾きながら美しい歌声を響かせる田村さんに、会場からは「ほぉ~」と感嘆のため息が聞こえます。お二人が奏でる美しいハーモニーに、曲が終わると同時に大きな拍手が沸き起こりました。
『思秋期』でしみじみと青春時代を振り返ったあとは、「みなさんのこれまでの人生を称え、そしてこれからの人生にエールを!」と『人生一路』で締めくくり。みなさんも手拍子で参加し、大盛り上がりのうちに本日の「歌声サロン」は幕を閉じました。

 

 

恒例となっているお見送りではたくさんの人が列をつくり、後藤さん・田村さんとお話しする順番をソワソワと待っています。それぞれ今日の感想を伝えてくれたり、近況をお話ししてくれたり・・・短い時間ですが、みなさんの気持ちや様子の変化を知ることができる、大切な時間です。
気付けば10月も終わりですね。これからますます寒くなりますが、風邪など引かぬようお気をつけください。また来月、元気にお会いしましょう!