お知らせ

荒井東「うたごえサロン」_11月

2018.11.13

仙台市若林区にある荒井東市営住宅(復興公営住宅)町内会からの依頼で
2018年4月から「うたごえサロン」をお届けしています。
(仙台市 音楽の力による震災復興支援事業)

今日は空気は少しひんやりしているものの、空は快晴。日なたを歩いていると汗ばんでくるくらいです。秋の日差しにきらめく景色の中を、たくさんの赤とんぼがすいすいと飛んでいました。
会場内の装飾も秋の風情たっぷり。定番の紅葉はもちろん、栗や柿といった秋の味覚も飾られ、「こういう飾りもあるのね!」と興味津々で眺めている方が何人かいました。
ところがうたごえサロンが始まる頃にはちょっと日が陰り、参加者は寒い寒いと手をこすりながら集会所に集まってくれました。縮こまった体をほぐすため、音楽リーダーのメゾソプラノ後藤優子さんとピアノ田村聡子さんと一緒にしっかりと体操しました。

 

本日のうたごえサロンは、リクエストがあった『故郷の廃家』でスタートしました。曲名だけではピンと来ない人が多かったようですが、後藤さんのお手本を聴くと「あぁ、この曲」とうなずく人も。遠く離れた故郷を想って書かれたという歌詞をしみじみとした旋律にのせて歌ってみると、秋の午後にすてきな歌声が響きました。
その後も懐かしい童謡や有名なドラマの主題歌、さらには2曲の歌詞とメロディを入れ替えて歌うことにも挑戦。歌を楽しみつつ頭の体操も一緒にできる、まさに一石二鳥な時間となりました。

 

一生懸命歌ったあとはコーヒータイム。温かい飲み物を片手に、お隣同士であれこれとおしゃべりが弾みます。
お待ちかねのミニコンサートでは、谷村新司さんの『群青』が披露されました。こちらは以前リクエストをいただいていた曲でしたが、今回満を持してのお披露目となりました。
特撮戦争映画『連合艦隊』の主題歌だったこの歌に込められたものを思い、練習で歌いながら泣いてしまったという後藤さん。想いが詰まった熱唱に、多くの方がじっと目を閉じて聴き入っていました。リクエストをした男性はその歌声に寄り添うように、小さく口笛を奏でてくれました。
そっと涙を拭う人もいるなか、曲が終わると温かい拍手が起こりました。

 

会場の後片付けをお手伝いしてくれた皆さんからは、季節の歌などいくつもリクエスト曲があがりました。色々と意見を出し合いながら、みんなで一緒にこの「うたごえサロン」を作っていければと思います。
次回の開催は12月です。すっかり寒くなっている頃だと思いますが、体調には気をつけてお過ごしくださいね。