「石巻・東松島げんきコンサートⅡ　小山実稚恵ピアノコンサート」2日目は、朝早くからの行動開始となりました。
石巻市立住吉中学校では、音楽室で1年生100名がコンサートを聴きました。
住吉中学校は浸水地域にあり、現在は石巻市立湊小学校の子供たちも同じ校舎で勉強しています。校舎や体育館の床下は、まだ泥掻きがされておらず、取り壊しが決まった２棟の建物も、未だそのままの姿で立ち入り禁止になっています。小山さんは昨年に続いての訪問でした。

東松島市立鳴瀬未来中学校は、野蒜地区にあった鳴瀬第二中学校が使用できなくなり、鳴瀬第一中学校に間借りしていたのですが統廃合となり、今年の４月からひとつの学校として新たなスタート切りました。今日は全校生徒260名が体育館に集まりました。
最後に花束を渡してくれた生徒さんは「以前はピアノを習っていたけれど、震災の後は習うことができなくなってしまった。でも今日演奏を聴かせていただいて、またいつかピアノを弾きたいと思った」と話してくれました。暮らしも気持ちも、一変してしまった生徒さんも多いのだと思います。この日の小山さんの演奏が、何か気持ちが少しでも前向きになるきっかけになってくれたのであれば、こんなに嬉しいことはないと思いました。

夜は東松島市コミュニティセンターでのコンサート。こちらは入場整理券があっという間になくなってしまったそうです。平日にも関わらず、親子連れやお友達同士など、開場前からたくさんの方が入口前に並んでいました。
この会場で小山さんが演奏するのは4度目。「震災後ずっと気になっていたこの場所に、またこうして訪れることができて、今日は本当に、嬉しく思っています」と話されました。この日は中秋の名月ということもあり、プログラムにベートーヴェンの「月光ソナタ」が加わりました。しっとりとしつつも激しさのあるベートーヴェン、対照的に華やかなショパン「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大円舞曲」など、小山さんのピアノの魅力を充分に楽しんでいただけた様子でした。