お知らせ

〈文化庁芸術家派遣事業〉東盛幼稚園・東盛マイトリー園へ

2019.11.7

音楽の力による復興センター・東北は、
文化庁令和元年度文化芸術による子供育成総合事業〈東日本大震災復興支援対応〉を
受託する実行委員会の一員として、音楽プログラムをコーディネートしています。

 仙台の東、新田にある東盛幼稚園に、声楽(ソプラノ)千石史子さん、クラシックギター小関佳宏さん、ピアノ及川久美子さんと伺いました。PTAにあたる父母教師会から応募いただき、コンサートにはたくさんの弟妹さん、そしてお母さんたちの姿も。
 映画「となりのトトロ」から「さんぽ」でコンサートが幕を開けると、さっそく歌い出す子どもたち。つづく「パプリカ」や「きのこ」では、あちこちで踊り出す姿が見られました。「幸せなら手をたたこう」では、みんな立ちあがって大盛り上がり!千石さんと一緒になって、手をパンパン!足をどんどん!と楽しそうに踏み鳴らしていました。

岡野貞一作曲の「紅葉」では、ふたつのチームに分かれて輪唱に挑戦。普段から音楽教育に力をいれている園だけあって、少し高度かなと思いましたが皆なんのその!「ちょっと難しかったけど、楽しかった!」という声も聞こえてきました。後半には、オペラ・アリアも。プッチーニの歌劇「ジャンニ・スキッキ」から「私のお父さん」、そしてピアノの及川久美子さんのオリジナル曲である「アトリエ」は、先生方からリクエストをいただきました。及川さんがピアノを弾き語りし、千石さんがコーラスを重ねて。ママから娘へ、息子へ、生まれてきてくれて「ありがとう♪」と歌われるこの歌は、やさしくあたたかい気持ちになれる歌。初めて聴く子どもたちも、すっかり聴き入っている様子でした。

最後には、東盛幼稚園園歌をみんなで一緒に。実は、東盛幼稚園の卒園生でもある、ギターの小関さんと、ピアノの及川さん。「私たちも幼稚園のとき、ここでみんなと同じように、園歌を歌ったんですよ」と聞いて、子どもたちはびっくり。演奏が始まると、先生に促されて出てきてくれた女の子が、みんなの前で指揮をしてくれました。堂々としたその指揮振り、かっこよかったですよ!

終演して、子どもたちをお見送りしていると、年長クラスの子どもたちが何人か「アトリエのうた、とっても感動しました」「『ありがとう』って歌う歌、ぼく、聴いていたら涙が出てきちゃった」と、直接、及川さん、千石さんに伝える姿が見られました。子どもたちは、こちらが思っていた以上にちゃんと歌に込められたメッセージを、受け取ってくれているんだな、と驚いた出来事でした。

控室には、出演者ひとりひとりにメッセージの書かれた、かわいいお菓子のプレゼントが用意されていました。そして、大きな花束も。東盛幼稚園・東盛マイトリー園父母教師会のみなさま、細やかなお心遣い、ありがとうございました!