お知らせ

岩沼「うたのひろば にゃん♪」_10月

2021.10.7

復興センターでは【Morino花cco】【すずの会】と協力して
岩沼市で月に1回「うたのひろば にゃん♪」を開催することになりました

宮城県に緊急事態宣言が出された影響で、9月はお休みしていた岩沼の「うたのひろば にゃん♪」。一ヶ月の間に季節はすっかり秋めいて、朝晩はずいぶん冷え込むようになりました。
ひと月ぶりの開催とあって、音楽リーダーも気合が入っています。仙台オペラ協会のソプラノ岩瀬りゅう子さんと松本康子さん、ピアノの富樫範子さんのお三方で、今日もたくさんの曲を用意してくれました。

最初に歌ったのは『わらいごえっていいな』という曲です。NHKの「おかあさんといっしょ」の中で歌われた曲ですが、今日の参加者で知っていたのはひとりだけだったようです。曲名にあるとおり、人や動物の笑い声がいくつも出てくるので、そこだけでも元気に歌ってほしいという岩瀬さんと一緒に、歌う前にそれぞれの笑い声を練習しました。
「ワッハッハッ」「ウッフッフッ」と声を出していると、つられて気持ちも明るくなってきますね。ノッてきた勢いで歌ってみると、知らない人が多い曲なのに予想以上に大きな声が出ていたのでびっくり!みなさんとても楽しそうに歌っていました。

次は岩瀬さんのソロで『瑠璃色の地球』を聴かせていただきました。岩瀬さんたちの生歌唱を聴くのもひと月ぶり。励まし、寄り添ってくれるようなこの曲を歌う岩瀬さんの歌声に、参加者はじっと聴き入っていました。歌い終わりに「どうしても歌いたかった曲だったんです。お聴きいただきありがとうございました」と挨拶した岩瀬さんに、温かい拍手がわきおこりました。

続いては季節の唱歌を2曲。『里の秋』と『ちいさい秋みつけた』を歌いました。情緒的な2曲に参加者もそれぞれ感じるものがあったのでしょうか、しみじみとした、とても素敵な歌声でした。特に『ちいさい秋みつけた』の少しさびしい雰囲気に、男性陣の歌声がぴったり。あんまり素敵だったので、岩瀬さんから「男性だけで2番を歌ってください」とリクエストが。恥ずかしそうにしながらもみなさんしっかり声を出していて、女性陣から大きな拍手が贈られました。
次に歌った『はるかな友に』は参加者からのリクエストです。曲への思いを尋ねられたその方は「自分が田舎から東京に出たとき、雪深い田舎にひとりで残った母はこんな気持ちだったのかな、と感じた曲です」とお話ししてくれました。
そんな話を聞いた後だと、雪の夜にひとりで遠くにいる子を案じているお母さんの姿が浮かんできて、歌いながら思わず涙ぐんでしまいそうです。みんなで歌った後は、岩瀬さん・松本さんのお二人に、リクエストした男性とMorino花ccoのスタッフの方も加わった即席カルテットでアンコール!すばらしいハーモニーを響かせていました。

ここで松本さんのソロを楽しみました。曲はミュージカル「エリザベート」より『私だけに』。皇帝の妃としてふさわしい振る舞いを身に着けるようにと、姑から厳しい教育を受けることになったエリザベートが、「私は私だけのもの」と姑の言いなりになり、宮廷に飼いならされることを拒絶する場面で歌われる曲です。歌う前に、ご自身も嫁いだ身として苦労があると話していた松本さんが歌うエリザベートの思いに、共感を覚える人もいたかもしれませんね。

豊かな声量で歌い上げた松本さんに、参加者から「どこからそんな声が出るの?」と質問が。「声帯を訓練して出しているんです」と答えた松本さんの「みなさんも今から訓練するんですよ!」との声を受けて、さっそく本日のプログラム最後の2曲にとりかかりました。
まずは『小さな世界』。歌詞に合わせてジェスチャーしたり、間奏で手拍子をしたりしながら楽しく歌いました。本当ならみんなで手をつないで歌いたかったと言っていた松本さんも、「みなさん心の手をつないで歌えていましたね!」と大きな拍手をしてくれました。
そして最後に歌ったのは『ドレミの歌』でした。誰でも知っている曲ですが、改めて歌う機会は意外と少ない曲かもしれません。途中で男性と女性にパートを分けたりしながら、童心にかえってこちらも楽しく歌いました。

会が進むにつれてどんどん声が出て、生き生きと歌う参加者の様子に、松本さんが「やっぱり歌うと元気になりますよね」と嬉しそうに言いました。気兼ねなく声を出すことや、リズムに乗って体を動かすことによる心身への良い影響は、思っている以上に大きいものだと感じます。これから寒くなるにつれて体調を崩しやすくなりますので、月に一度のうたのひろばで楽しく健康づくりをしていけたらと思います。(この事業は令和3年度宮城県NPO等による心の復興支援事業補助金を受けて実施しました。)