お知らせ
【文化庁派遣事業】登米市立登米中学校へ
- 2013.11.8
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*音楽の力による復興センター・東北は、平成25年度文化庁芸術家派遣事業〔東日本大震災復興支援対応〕の音楽プログラムをコーディネートしています。
全校生徒145名の登米中学校で、仙台チェンバーアンサンブルによる「夢いっぱいコンサート」を開催しました。この登米中学校は、仙台チェンバーアンサンブルのリーダーでクラリネット奏者の叶光徳さんが、吹奏楽部の指導にこの4年ほど関わっている学校です。震災時には南三陸町から多くの方が避難し、校舎や体育館でひと月ほど過ごした方もいたそうです。そのさなか、なにか皆さんを励ますことができないだろうかと集まって練習を続けていた吹奏楽部の顧問の先生からの呼びかけに応じ、チェンバーアンサンブルのみなさんもどうにかガソリンを手に入れて駆けつけ、3月31日に合同でコンサートを開催しました。当時は、もちろんまだ水も電気もガスも自由にならず、お風呂に入ることができない時でした。「あの時は、体育館の中、すごいにおいがしてたんだよなぁ…」とメンバーのおひとり。そういう現実が、つい2年7か月前、ここにはあったのだということを、あらためて思いました。
さてコンサートが始まると、映画音楽、オペラ・アリア、クラシックのどこかで耳にしたことのある名曲とプログラムは進み、「ラデツキー行進曲」では3人の生徒さんが指揮者体験に挑戦。初めてとはいえ、ゾウの歩みのようなテンポからジェットコースターのように速くしてみたり…と皆さん思い思いに“挑戦”していたようです。 「風になりたい」ではマラカス、タンバリン、カスタネットに分かれてサンバのリズムを体験。チェンバーアンサンブルのみなさんと共演してみました。演奏に参加した生徒さんには、使った楽器がプレゼントされました!
その後の質問コーナーでは、中学生お決まりの音楽とは関係ない質問から、素晴らしい木琴の演奏を聴かせてくれた小林直央さんへ「どれくらい練習すると、あんなに弾けるようになりますか?」と真面目な質問まで。そして最後は、終わったばかりの合唱コンクールの課題曲を、指揮者賞を受賞した生徒さんの指揮でみんなで一緒に演奏しました。みんな一生懸命練習したことが伝わってくるような素敵な歌声でした。
コンサートの終わりに、「音楽で人を励まし続けているチェンバーアンサンブルのみなさんのように、自分も何か人を励ますことのできる人になりたい」と生徒会長からの御礼の言葉がありました。そんな風に生徒さんたちの目には映っていたのだな、と知ると同時に、こちらもまた励まされるような、また背筋の伸びるような思いでした。*In 2013 we coordinate music program of the Agency for Cultural Affairs’ Artist Deployment Project (to support recovery from the Great East Japan Earthquake).
Today “Sendai Chamber Ensemble” held a performance at Toyoma Junior High School in Tome.