仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅ではｋ
町内会主催のサークル活動として、この住宅とその周辺にお住まいの方々の
交流の場「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌を楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、音楽リーダーをコーディネートしています。
（仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」）

厚い雲から小雨と小雪がぱらつく金曜日となりました。今日のうたカフェは、毎年恒例のクリスマスコンサートです。音楽リーダーの仙台オペラ協会ソプラノ松本康子さんと岩瀬りゅう子さん、ピアノ富樫範子さんは盛りだくさんなプログラムを用意し、ドレスアップして登場しました。その姿に客席から「わ～すてき！」とため息の混じった歓声が上がりました。

まずはモーツァルトのオペラアリアを3曲。フィオルディリージ役の岩瀬さんと夜の女王役の松本さんが情感たっぷりに、ドラマティックに歌い上げ、参加者の皆さんはものすごい声量に圧倒されていました。
続いては、いつものようにみんなで歌うコーナーです。『きらきら星』ではいきなり二部合唱にチャレンジ！シンプルな音型だったので、ちょっと練習したらけっこう良い感じのハーモニーになりました。『コーヒーはいかが』ではちょっと歌詞をアレンジして、いつも美味しいコーヒーを提供してくださる「喫茶ひこ」のマスター西垣さんにこの1年の感謝を伝えました。
西垣さんはこのサプライズに「これはどうも恐縮です！」と深々と頭を下げていました。

後半は、岩瀬さんがプッチーニ『歌に生き、愛に生き』を歌い、松本さんは数年前のオペラ公演で岩瀬さんがこの曲を歌うのを聴き、深く感銘を受けた思い出を語りました。続いて松本さんは、昨今の不穏な世界情勢に心を痛め、平和への希求をこめてヴェルディ『神よ平和を与えたまえ』を歌い、参加者のみなさんも何か思うところあるような表情で真剣に聴き入っていました。

ピアノの富樫さんは『ウィンターワンダーランド』をゴキゲンなノリで演奏し、客席からは自然と手拍子が湧いてきました。最後はみんなで『おめでとうクリスマス』を英語で歌い、にぎやかにフィナーレを迎えました。今年1年のご褒美のようなたのしい時間でした。会場を準備してくださる田子西町内会の川名会長さんをはじめ、ご来場のみなさんに支えられて続く「うたカフェ」です。また来年も、よろしくお願いします！