お知らせ

荒井東「音楽サロン」_11月

2025.11.18

仙台市若林区にある復興公営住宅の荒井東市営住宅へ
2018年4月から、歌を楽しむ会をお届けしています。
今年度は隔月で開催しています。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)

いかにも11月らしい時雨模様の朝でしたが、地下鉄荒井駅に降り立つと、日が差していました。仙台市中心部から7㎞も離れると、だいぶ天気が違うんですね。明るい日差しにホッとしました。
さて、今日も音楽リーダーのメゾソプラノ後藤優子さんとピアノ田村聡子さんが充実のプログラムを用意してきました。参加者の皆様におかれましては、歌の上手/下手はどうぞ気にせず、声を出すこと、歌うこと、音楽を聞くことを楽しんでいただければさいわいです!
準備体操の段階からすでに、みなさんの積極性が感じられます。白鳥が翼をひろげるイメージで大きく手を伸ばしながら発声するワークも、だんだん板についてきましたね。

今日は『旅愁』『影を慕いて』『いつでも夢を』をみんなで歌いました。なかでも『旅愁』ではかなりの高音を要求されるので、おなじみの歌ながら難しい曲でもあります。優子さんは「高い音の時は眉毛をぐっと上げるといいですよ!」とアドバイス。さらに眉毛を上下させながら「サヨナラ、サヨナラ」と懐かしの映画評論家・淀川長治氏のものまねをして見せる優子さんにみなさんゲラゲラ笑ってしまうのでした。
また、『影を慕いて』は宮城の山深くにある青根温泉で生まれたこと、若き古賀政男が恋に破れて傷心であったことを演じて解説し、これまたみなさん爆笑でした。

『いつでも夢を』のときは、聡子さんがみなさんのためにたくさんのシェイカーを用意していました。そこに、優子さんのアイディアで「夢」シールを貼りつけ、「お持ちなさいな いつでも夢を」の歌詞を実装しました。シャカシャカ振ると自然と体を動かすことにもなって、素朴な楽しさが湧いてきます。いたく気に入った様子で「これ、楽しいね!」と、隣の人と顔を見合わせて微笑む方がいました。

後半のミニコンサートで、まず聡子さんがすてきなアレンジの『紅葉』を独奏しました。滔々とした水の流れに、鮮やかな色彩が浮かんでくるような、すうっと心が落ち着く演奏でした。
続く『見上げてごらん夜の星を』では、やさしいピアノの調べにのせて優子さんと聡子さんが温かなハーモニーを披露しました。歌声はふうわりと客席を包み込み、思わずほろりと涙をこぼす方もいました。

フォーク世代には懐かしい『あの素晴らしい愛をもう一度』では、これまた聡子さんが用意したミニタンバリンが配られ、みなさん大盛り上がり。或る方は裏拍が得意だったり、16ビートでリズムを刻んでいたりして、意外な一面をのぞかせていました。

お客さんを楽しませることにかけては全力投球のお二人です。終演後は、お客さんが大満足の様子で帰っていきます。今日初めて参加した方々も「感激して泣いちゃった…」「ほんっっと、楽しかった!」と興奮冷めらぬ様子、「2か月に1回じゃなくて、1か月に2回やってほしいわ」という声も聞こえてきました。ありがとうございます。
次回は年明け1月です。向寒の折、荒井東のみなさんどうぞお元気でお過ごしくださいね。