お知らせ

田子西「うたカフェ♪」_2月

2026.3.2

仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅では
町内会主催のサークル活動として、この住宅とその周辺にお住まいの方々の
交流の場「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌を楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、音楽リーダーをコーディネートしています。
今年度は隔月で開催しています。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)

霧雨が降ってひんやりする午後でしたが、20名もの参加者が集まって、集会所の中は賑やかに暖かくなりました。今日も音楽リーダーは仙台オペラ協会ソプラノ松本康子さんと岩瀬りゅう子さん、ピアノ富樫範子さんが務めます。
まずは童謡『春が来た』を歌いながら体操をしました。腕を伸ばしたり回したり、足踏みしたり、覚えやすい動きでみなさん難なくこなしていました。

今日のプログラムは、これまでのリクエストにお応えして、ロシア民謡をもとにした流行歌『山のロザリア』、ドイツ歌曲『ローレライ』、昭和のフォークソング『風がはこぶもの』などを歌いました。
『山のロザリア』は低めの音程がちょうどよかったのか、みなさんの歌声がまとまって力強いものに聞こえました。なんと明治時代からあるという『ローレライ』、松本さんが文語体の歌詞を解説して、まずはみんなで意味を把握しました。歌声で旅人を魅了し命を奪う魔女ローレライの伝説がドラえもんにも採用されているという話を松本さんがすると、「えー!」とおどろきの声が上がります。大ピンチののび太たちを救ったのは、ジャイアンの調子っぱずれな歌声だったというオチに笑いが起きました。

『風がはこぶもの』のリクエストを寄せてくださったOさんは「学生のときにね、よく仲間と歌ってたの」と思い出を話しました。「今は、この新しい仲間と歌っているわけですね」と松本さん。そうですね、うたカフェに集うみなさんが、今はこうして仲間になっています。この場が10年以上継続できているのは、いろいろな人たちのおかげだなあと改めて感じました。
また、「モーツァルトのオペラ『イドメネオ』の中にも、風に思いを託す歌があるんですよ」という話に、みなさんは「へえ~」と感心していました。

喫茶ひこのマスター西垣さんが淹れたコーヒーで一服休憩したあとは、ミニコンサートとして、松本さんがロシア民謡『カチューシャ』を原語と日本語を取り交ぜて力強く歌い上げ、喝采を浴びていました。
岩瀬さんは立原道造作詞の『浅き春に寄せて』を歌いました。大切な人との別れは悲しいけれど、悲しみの先には希望が待っていることでしょう。冷たい風の中にもほんのりとした春の気配を感じる歌でした。今日の雨もやがて止むでしょう。真赤なさざんかの花が目に鮮やかな午後でした。