お知らせ

若林西せせらぎサロン「うたっこ会」へ

2017.11.15

仙台市若林区の復興公営住宅で2015年9月から「うたっこ会」を始めました。
復興センターでは音楽家をコーディネートし、若林西せせらぎ会と
協働してこの会を運営しています。

春夏秋冬に一度ずつ、「うたっこ会」の名前でお伺いしている若林西市営住宅。自治会である若林西せせらぎ会の、婦人部が主催する定期サロンの中に組み込んでいただいています。音楽リーダーは、メゾソプラノの後藤優子さんと、ピアノの田村聡子さんです。

今回は、7月の「七夕うたっこ会」以来4か月ぶりと、ずいぶん間が空きました。集まっていらしたみなさんも、少し、緊張気味でしょうか…?後藤さんの、明るい声で準備運動から始まりました。肩をゆっくり前に後ろに5回ずつ廻します。次は腕を高く伸ばして、白鳥の羽根のように広げる運動では、想像以上に背中や肩の筋肉がうーんと伸ばされていくのが分かります。なかなか普段の生活の中では動かすことのない筋肉ですが、やってみるととても気持ちのよいものです。

「では次に、みんなでびっくりした時の顔をやってみます。美顔体操にもなりますよ。目も口も顔も、思いっきり開いてみてください。せーのっ!」パシャッとつい写真を撮ったのは、その、みなさんのびっくりした顔!みなさん真剣!です。そして、確かにこの運動は、顔中の筋肉が総動員されているのが分かります。つづく発声練習を終えた頃には、みなさん身体がぽかぽかしていました。「ちょっと部屋、暑いねぇ」という声も聞こえて、暖房を止めたほどでした。歌うための準備運動とはいえ、ゆっくりしたストレッチや腹式呼吸の訓練は、全身運動でもあるのですね。

今日の1曲目は「埴生の宿」。1番をお手本に後藤さんが歌い、その後、全員で歌詞を朗読しました。古文体で少し分かりにくいところもありますが、「豪華に飾られた立派な御殿よりも、住み慣れたわが家の居心地が、やはり一番良い」と歌う歌。震災を経て、終の棲家と決めた現在のお住まいで暮らすみなさんにも、何か響くところがあったかもしれません。「北風小僧の寒太郎」を楽しく歌い、「東京ブギウギ」はそれぞれ指や足元でリズムを取りながらノリノリで歌うと、お待ちかねのミニコンサートの時間です。

戦争へと向かった息子を思う母の気持ちを歌った「ダニーボーイ」は、じっくりと、日本語と英語、両方で聴かせてくれました。みなさんも、真剣な面持ちで、美しくも切ない歌声に聴き入ります。つづく「ラストダンスは私に」は、越路吹雪さんのお洒落で素敵なダンスチューン。後藤さんが、ギロとウッドブロックが一緒になったような打楽器を鳴らしながら、足下はステップを踏みながら、こちらもノリノリで女性の切なくも強気で弱気な恋心を歌います。この時代の歌謡曲の持つ明るさって、とっても素敵なものですね。懐かしいけれど、決して古くない音楽は、初めて耳にした頃の年齢にあっという間に引き戻してくれるものだなと思いました。

そして、この曲で最後のはずでしたが、即座に「アンコール!アンコール!」の手拍子が。「万が一、アンコールがあったらと思って、用意してきました!」と後藤さんと田村さん。「みなさんとの出会いに感謝して…」と中島みゆきさんの「糸」を歌ってくれました。こちらも、みなさんしみじみと聴き入り…楽しい時間はあっという間に終わってしまいました。

片付けの後は、こちらもまたお楽しみのお茶っこを。次回3月の予告をしつつ、リクエストも伺います。「東京ブギウギ」や「ラストダンスは私に」から、ダンスの話になると、以前は社交ダンスを踊っていたと言う男性の方から「ルンバ」のお話しが。また合唱曲であるシューマンの「流浪の民」を聴いてみたい、という声もありました。また、幅広いリクエストが集まるのでしょうか…楽しみです!次回は3月。「ちょっと早いですけれど、みなさん、どうぞよいお年を~!」と手を振って分かれる後藤さんに、みなさんからどっと笑いが起こりました。けれど、もう、本当にあっという間にそんな時期ですね。みなさん、3月にまた元気にお会いしましょう!