お知らせ
泉中央南「歌声サロン」_12月
- 2017.12.12
-
仙台市泉区の復興公営住宅で2015年10月から「歌声サロン」を始めました。
復興センターでは音楽家をコーディネートし、泉中央南町内会と
泉区まちづくり推進課と協働してこのサロンを運営しています。うららかだった昨日とは気温差10度、寒波襲来の朝は一面の銀世界でした。鈍色の空からは牡丹雪がゆっくりと降っています。この寒さで参加者が減るかしらんと心配しましたが、「これが楽しみなんだもの!」と、寒さを吹き飛ばす勢いで30名を超える人が集まりました。みなさんのわくわくした様子にこちらが励まされます。
今日も音楽リーダーのメゾソプラノ後藤優子さんと田村聡子さんがはりきってクリスマス用のデコレーションを設えました。ツリーにリースにオーナメント、たいへんな気の入れようです。お客さんからは「きれいねえ~」「いつも素敵に飾るわよね~」「ほんとねえ~」との声が聞こえてきました。
定番のウォーミングアップで体をほぐして、さあ歌の時間です。まずは『冬景色』から歌いました。今朝の凛とした寒さと窓の外の雪景色にぴったりの曲ですね。文語体の歌詞がゆったりとした旋律に乗って流れだします。みなさんの声が伸び伸びとして傍で聞いていても気持ちが良いです。後藤さんと田村さんが「みなさん、すごい!」「ほんと合唱団みたい!」と感心するほどでした。これまでのサロンの蓄積が表現として出てくるようになったのでしょうか、確かにみなさんの歌声が変わってきたように思われます。
続く『きよしこの夜』では高音へのジャンプのコツを練習しました。後藤さんいわく「眉毛を上げると高い声も出やすくなるんですよ」だそうです。眉毛を上げると視野も広がって気分が明るくなりますから、一石二鳥のエクササイズですね。実際にやってみると、高い音が出るようになって面白いなあと思いました。田村さんはキーボードの音をパイプオルガンに変えて、聖歌の気分を盛り上げました。
3曲目は『三百六十五歩のマーチ』でした。12月12日の「ワンツーワンツー」にちなんでの選曲だそうです。客席からは自然に手拍子が湧いて来て、元気よくほがらかな雰囲気の中で歌声サロン2017年の歌い納めとなりました。
ちょっと一服のティータイムでは「あら、クリスマスケーキが出るかと思って期待してたのに~(笑)」と常連さんが残念がっていましたが、ケーキ以上の素敵なプレゼントがありますよ!演奏家によるみなさんのためのミニコンサートです。
クリスマスの聖母からの連想で岩崎宏美『聖母たちのララバイ』に続き、演歌が好きだと言う参加者のリクエストに応えて都はるみ『北の宿から』、アンコールではプッチーニ『誰も寝てはならぬ』が披露されました。レパートリーが幅広いお二人ならではのプログラムです。女心のせつなさをしっとりと歌い、そして勇者のように雄々しく堂々と歌う様にみなさん圧倒されて言葉もない様子でした。大喝采の中、「いやあ、すごいね!」「ほんとだね!」と感動を伝えあうおばさま方。一年の締めにふさわしい演奏でした。
出口では演奏家がみなさんをお見送りします。力強い握手と温かい言葉や笑顔が交わされて、良い光景だなあと毎回思います。今年一年もおかげさまで歌声サロンを無事続けることができました。町内会の方々を始め参加者のみなさん、そして演奏家のお二人にはたいへんお世話になりました。どうぞよいお歳をお迎えください。