お知らせ

泉中央南「歌声サロン」_2月

2018.2.20

仙台市泉区の復興公営住宅で2015年10月から「歌声サロン」を始めました。
復興センターでは音楽リーダーをコーディネートし、
泉中央南町内会と協働して
このサロンを運営しています。

「春は名のみの風の寒さや」という『早春賦』の歌詞がぴったりの昨今です。目映い日差しにほっとしながらも吹き付ける風は冷たくて思わず身が縮みます。そんな寒さに負けず、歌声サロンには30名以上の参加者が集まりました。
音楽リーダーのメゾソプラノ後藤優子さんとピアノ田村聡子さんは毎回、季節にちなんだテーマを決めて設えを用意してくださるのですが、今日のお二人はなんと金銀きらきらの衣装で登場しました。
その姿を指さして「あ!もしかしてオリンピック?」と客席から声が上がりました。はい、正解です!男子フィギュアスケートの金銀メダル獲得にちなんだコーディネートにはみなさん意表を突かれて大ウケでした。
まずは『春よこい』を歌いました。いかにも日本の童謡らしいのんびりとしたリズムに乗って、みなさんは右に左に小首をかしげて歌っています。歌い終わるとほんわかと和んだ表情になっていました。
「最後の高い音のところは眉毛を3cm上げるつもりで」とのアドバイスがあり、みなさんちょっと照れながらも挑戦してくださいました。すると本当に澄んだ高音がすーっと出て清々しい表現が出てきました。

続いてはイタリア民謡『フニクリ・フニクラ』の替え歌で『鬼のパンツ』です。2月の節分にちなんでの選曲です。多くの人が「歌ったことないわ~」と言いましたが、メロディ自体はおなじみですし、歌詞も繰り返しの多い素朴なものなのですぐに歌えるようになりました。「次は手振りを入れてみましょう!脳トレにもなりますよ」と後藤さんが誘うと、みなさん見よう見まねで身振り手振り。腕を上下して肩胛骨付近が動くので、寒さで縮こまっていた体が温まるようでした。普段の生活ではやらないことでしょうから、これも一つの非日常で刺激になりますね。

3曲目はがらりと雰囲気を変えて大人っぽく、『また君に恋してる』です。バレンタインデーにちなんで愛の歌を選んだわけですね。
いつもよりちょっとゆっくりめにして歌いました。各フレーズの出だしが一拍待ったり先んじたりと変化があって難しいと言えば難しいこの曲ですが、CMで有名なサビの部分は俄然声が大きくなって、想いをたっぷりと乗せて歌っていました。
ティータイムのミニコンサートでは、往年のヒット曲の『白い色は恋人の色』が演奏され、後藤さんと田村さんはベッツィ&クリスばりのハーモニーを披露しました。「あ~なつかしいこと」とうっとりして聴いている姿がありました。

おなじみのカンツォーネ『オー・ソレ・ミオ』の朗々とした歌声と力強いピアノの調べは寒さも吹き飛ぶ勢いでみなさんも圧倒されていました。終わった瞬間にうわっ!と歓声と喝采が沸き起こりました。「すごいわね~」「ホントね~」と感心感動に渦巻く客席なのでした。
さまざまなジャンルの曲を歌い、聴くこのサロンはびっくり箱や幕の内弁当のような楽しさがあり、参加者が毎回わくわくした様子で来場なさるのがスタッフの励みにもなっていますし、歌声がどんどん伸び伸びとしてくる様子に元気をいただいています。さあ春はもうすぐ、どうぞお健やかにお過ごしくださいね。