お知らせ

泉中央南「歌声サロン」_5月

2018.5.29

仙台市泉区の復興公営住宅で2015年10月から「歌声サロン」を始めました。
復興センターでは音楽家をコーディネートし、
泉中央南町内会と協働してこのサロンを運営しています。

街路樹のハナミズキが満開で、その白さが目にまぶしい日です。道端では真っ赤なひなげしの花が風に揺れています。泉中央南市営住宅のそばに流れる七北田川のほとりでは大きなキジが悠々と歩いていました。生命力にあふれる季節ですね。
さて、本日もメゾソプラノ後藤優子さんとピアノ田村聡子さんを音楽リーダーに迎えて、月に一度の「歌声サロン」を行ないました。
この春、新しく町内会長になったSさんが「初めての人を連れて来たの!」と3名のご婦人を紹介してくださいました。ここの町内会はとてもオープンで、歌声サロンにはご近所にお住まいの人も、お隣りの老人介護施設利用者も大歓迎です。回数を重ねて、お互い顔見知りになり「どうもね」「あら、しばらくだこと」「奥さんはどうしてる?」など気軽に声を掛け合える仲になっていることがわかります。
また、参加し始めた当初はひとりでポツンとしていた人が、今や会場準備と撤収作業を率先して自発的にやってくださるようになり、それにつれてだんだん雰囲気が明るくなってきて他の人たちとも会話するようになっている様子も見受けられます。そんな嬉しい変化が少しずつ見えて、歌声サロンの効果があらわれていることを事務局スタッフは実感しています。今日の課題曲に『みかんの花咲く丘』があることを知った人が、なんとみかんを差し入れてくださいました!ありがとうございます!みなさんに支えられている歌声サロンです。
かつての町内会長さんも仕事の合間を縫って顔を出し、「これが楽しみだからさ~」と一緒に歌いつつ、「もっと口を開けてさ、大きく声を出してみなよ!」と、ほかの男性参加者を気遣っていました。
どこの会場に伺ってもそうですが、大多数の女性参加者に圧倒されてか、男性はシャイな方が多いようです。男同士で励ましあうのが彼ら自身にとって一番の頼りになるのではないかと思われます。何より、男声が入ると歌の厚みが増して、みんなで声を合わせることの面白みが俄然ふくらみますから、今後とも是非ご参加いただければと思います。

そして今日は元祖アイドル天地真理の『ひとりじゃないの』が課題曲だったので、往年のファンとおぼしき年代の男性が実にイキイキと歌っていました。いい光景ですねえ。その人が後藤さんに「なんだか今日は一段と可愛いんでないのー?」と声を掛け、会場がわっと沸きました。これも真理ちゃん効果でしょうか。
歌って笑ってお茶飲んであっという間の一時間、いつ止むとも知れぬ拍手喝采の中、後ろ髪を引かれながらもおひらきの時間となりました。

 演奏家によるお見送りもすっかり定着したようで、みなさんきらきらの笑顔を見せて帰っていきます。みなさんの元気が私たちの元気の素です。
「こうしてみんなに会えるのがとても楽しみなの」と、地下鉄に乗って遠くから通って来る常連さん。「家に帰ったら家政婦だからね、こういうとこで発散しないとね」と言うと、田村さんが「家族がいるということはひとりじゃないってことですよ」と応え、そこに後藤さんも加わって「ひっとりじゃないって~スッテキなことね~♪」と歌い出す愉快な仲良しトリオなのでした。真里ちゃん効果、すごいですね(笑)。

まもなく6月、だんだん暑さが厳しくなっていきますが、また来月、元気でお会いしましょう!