お知らせ

陸前高田・県営杤ヶ沢アパート集会所へ

2018.9.20

昨年12月に、クリスマスコンサートに伺った県営栃ヶ沢アパートへ、再び訪問させていただきました。今回は、「なつかしのメロディーコンサート」と題して、みなさんに歌っていただく“歌声喫茶コーナー”を大幅拡大したコンサート。出演は、マリンバ&パーカッションアンサンブル『こころ音』熊谷昇子さん、布田恭子さん、ホンダヒロヤさんの3人です。

大船渡・気仙光陵支援学校の後、陸前高田に移動。まず会場に向かう前に、以前の中心部を見下ろす高台(新市街地)にある慰霊碑に手を合わせ、商業施設が集まったアバッセタカタに寄りました。ここ、新中心市街地では、今週末、“まちびらき“のイベントがあり、奈良・東大寺と鎌倉・鶴岡八幡宮から、宗教を超えたみなさんが、鎮魂と復興祈念の祈りを捧げにいらっしゃるのだそうです。

県営栃ヶ沢アパートは、岩手県内最大の300世帯が暮らすことのできる、集合型災害公営住宅です。実際には、既に空き室もあり、75歳以上の方がとても多く、引きこもりがち、また、特に一人暮らしの方が孤立してしまいがちなことを、会長さんはとても心配されていました。

 広い集会所は、さまざまなイベントが開かれるものの、夜の開催は初めて。役員さんたちも「どのくらい来てくれるかなぁ…」と心配されていましたが、開演時間が近づくにつれて人が増えていき、20名ほどの方が来てくださいました。始めの「東京ブギウギ」から、もう、体が自然に動き出す方、手拍子される方が続出です。ノリのよいお客さんたちに、演奏している3人も、ついつい笑顔がこぼれます。日本のうたメドレーの、「めだかの学校」に登場する泡のはじける音は、ホンダさんがアクリル板を両手に挟んでたわませると、コポコポ、とそれらしい音が…。一人の方に、この泡の音に挑戦してもらおうとアクリル板をお渡しすると、次々に隣の方に渡されて…みなさん、積極的な方ばかり!恭子さんが鳴らす“波の音”の出る楽器にも、みなさん興味津々です。

『歌声喫茶コーナー』も、やはり演奏者のみなさんが驚くほどの声量と盛り上がりとなりました。「いつでも夢を」では、男性と女性にわかれて。「恋のバカンス」のノリの良さは、今にも立ち上がって、みなさん踊り出すのでは?!というほどに、元々響きの良い、広い集会所が、歌声でいっぱいになりました。その様子を見たホンダさん、ついつい「僕たちが盛り上げなくても、みなさんで盛り上げてくださって…ありがとうございます!」とコメントを。会場はみんな大笑いです。

「365日のマーチ」のリズムあそび(ボディパーカッション)も、みなさん積極的に挑戦してくださいました。お隣の人の肩を、お互いに叩くところもあって、上手く手が届いたり、届かなかったり…、あちらこちらでまたもや笑いに溢れたコーナーでした。そして、続いては昇子さんと恭子さんによる、本格的なボディパーカッションを披露していただきました。使う楽器は自分たちの身体のみ。手の平、肘、膝を叩く音や、足踏み、そしてお腹を擦る音、向き合ってお互いに手を合わせる音…出てくる音はそれだけなのですが、なんとも複雑なリズム、そして、パフォーマンスの集中力とかっこよさに、終わると「ブラボー!!」の声、そして、今までにないほどの拍手の嵐!先ほど、自分たちもボディパーカッションに挑戦したばかりでしたので、その難しさや楽しさも分かった後の、プロによる圧巻の演奏は、よりみなさんにも楽しんでいただけた様子でした。

最後まで、大盛り上がりのままだったコンサート。終わった後も、みなさん、見送るメンバーにお一人お一人、声をかけてくださいました。そんなメンバーの隣には、愉快な会長さんも一緒に並んで「ありがとう!ありがとう!」と住民のみなさんと握手!この会長さんのの明るさが、栃ヶ沢アパートのみなさんの明るさを、より引き出していらっしゃるのかもしれません。

マリンバは毎回会場ごとに、車から運んで、組み立てて、演奏して、またバラして積み込んで…喜寿を迎えたボランティアカメラマン佐々木隆二さんはじめ、気仙沼から駆けつけてくださったムラカミサポート村上さん、また、自治会役員のみなさんにも、ありがたくお手伝いをいただきました。お客さんのノリに、ぐんぐんと引っ張られた夜のコンサート。またぜひ来てね!と言っていただいて、こちらもたくさんの元気をいただきました。またお会いしましょう!