お知らせ

大船渡・ひまわり「懐かしのメロディーコンサート」

2018.9.21

マリンバとパーカッションによるアンサンブル『こころ音』のみなさんとの、気仙地方ツアー最終日は、大船渡市の介護老人保健施設「ひまわり」地域交流ホールに伺いました。こちらは以前も訪問のチャンスはあったのですが、インフルエンザ感染の恐れのある冬の時期だったこともあり、なかなかタイミングが合いませんでした。今回は、満を持しての訪問となりました。特別養護老人ホームである、こちらに暮らす方ばかりでなく、ショートステイに滞在中の方、デイサービスに通われている方、小規模グループホームにお住まいの方、また車で20分ほど離れた、系列の末崎町デイサービスセンターの利用者さんもバスに乗って来てくださり、総勢100名以上という大勢でのコンサートとなりました。

100才を超える方もいらっしゃったり、介護度も様々な方がひとところに集まって、「365歩のマーチ」でのリズムあそびにも挑戦です。みなさんそれぞれご自身の体の状況に合わせて、笑顔で参加してくださいました。また「リンゴの唄」や「青い山脈」など懐かしい歌を集めた『歌声喫茶コーナー』では、職員さんがマイクを持って利用者さんの間を行ったり来たり…、みなさん良いお声です!歌詞カードを見なくても口をついて歌が出てくる様子も、あちらこちらに。そして心なしか、どなたも歌った後は、歌う前より顔色がほんのり上気して、林檎色になっていらっしゃいました。歌うこと、というのは、やはりなかなかな運動ですね!

そんななか、窓際の車椅子で、静かに涙を流していらっしゃる方がありました。涙をぬぐうわけでもなく、演奏者のみなさんの様子を見つめながら、じっと聴いてくださっていました。後から職員さんに伺ったところ、元々は、学校で音楽やダンスを教えていらした方とのこと。今は病いが進み、感情を表情に表したり、手拍子など体を動かして音楽に参加することは、できなくなってしまいましたが、何か演奏が始まって、感じられたもの、呼び起されたものが、あったのかもしれません。普段から接していらっしゃる職員のみなさんは、私達より一層、驚かれていたようでした。

「離れたところで活動するデイサービスのみなさんにも、一緒にこうして活動に参加してもらうことはなかなかできないので、今日は本当にみんなで参加できて、良かったです」と、今回のご縁をいただいた(社福)典人会 ひまわり居宅介護支援事業所 所長の熊谷君子さんが、片付けがすっかり終わった後にお話しくださいました。震災がきっかけで、ご家族を失われたり、住んでいた土地に住むことができなくなったり…様々な御苦労をされたのは、利用者さんばかりでなく、職員の皆さんも同じです。そんな皆さんにも、ひととき、利用者さんと一緒に楽しんでいただくことができましたら、こんなに嬉しいことはありません。また機会があれば、とお約束して、大船渡を後にしました。

今回の3日間のツアーのために『こころ音』の皆さんには、たくさんの曲を用意していただきました。特に、ご年配の方には懐かしい昭和歌謡が喜ばれることもあり、また、一緒に歌っていただくコーナーを増やしたこともあって「いつでも夢を」「恋のバカンス」「東京ブギウギ」「愛燦々」「水戸黄門のテーマ」など、広い世代に亘って愛されている歌を中心に選曲、また編曲していただきました。その他「もみじ」や「めだかの学校」「浜辺の歌」などを含むメドレーなども、とても熱心に聴いていただいたり、一緒に口ずさんでいただくことができ、やはり幼い時に親しんだ歌は、いつまでも心の中に仕舞ってあるのだなと感じました。『こころ音』のメンバー、熊谷昇子さん、布田恭子さん、ホンダヒロヤさん、本当にありがとうございました!