お知らせ

荒井東「うたごえサロン」_10月

2018.10.23

仙台市若林区にある荒井東市営住宅(復興公営住宅)町内会からの依頼で
2018年4月から「うたごえサロン」をお届けしています。
(仙台市 音楽の力による震災復興支援事業)

曇り空ながら気温は高めで過ごしやすい日です。今日も音楽リーダーのメゾソプラノ後藤優子さんとピアノ田村聡子さんはたくさんの装飾品を持ち込んで、稲穂にコスモス、柿に栗、と秋の風情満載で参加者の到着を待ちました。入ってくるなり「わぁ、今日もすてきねえ~」と、参加者の感嘆の声が聞こえてきました。参加者の中には歩くのが大変そうな方が何人かいらっしゃるので、こんなふうにして四季折々の景色を集会所で愉しんでいただけたらなあと思います。

ゆっくりと準備体操をし、発声練習をして『箱根八里』を歌いました。以前こちらの会場でリクエストがあった曲です。「箱根の山は天下の嶮」でおなじみのこの歌は明治34年に作られ、漢文調の非常に硬い文体が特徴です。ひらがなより漢字の方が多い歌詞にたじろぎましたが、まずは音読しました。「羊腸の小径」「もののふ」「ますらお」など古い言葉のオンパレードで理解がすばやくは追い付きませんが、しかし勇ましく歩みゆくような力強い曲調が元気をくれるようでした。

明治の歌に続いては、戦後の唱歌、昭和の歌謡曲などを歌いました。みなさんの表情がイキイキとしてくるのがわかります。爽快な疲労感を覚えたところでお茶の時間となりました。「コーヒーがいい匂いだねえ」「今日はおかわりしちゃおうかな」とお茶飲み話が弾みます。
恒例のミニコンサートでは美空ひばりの『人生一路』が演奏され、後藤さんの歌いっぷりに「うおぅ!」と感嘆の声が出て、ノリノリの手拍子が湧き、やんややんやの拍手喝采が起こりました。今日初めて参加した方は「ほぉぉ…」とすっかり感動していた様子でした。

終演後のお見送りでは自然に輪ができて「今度はこんな歌が聴きたいなあ」「こんなのが好きなんだよねえ」など打ち解けた様子で話している姿がありました。また、何人かはその後の片づけ作業も自発的に手伝ってくださって、この「うたごえサロン」がみなさんにとっての“自分たちのサロン”に段々となってきているように感じました。住民の方々の息抜きと交流の場としてじわじわゆっくり浸透していければと思います。今後ともよろしくお願いしますね!