お知らせ

七ヶ浜町菖蒲田浜地区へ

2018.11.5

宮城県七ヶ浜町は東日本大震災の津波で大きな被害があった地域です。現在は各集落に災害公営住宅が建ち並び、被災した方々は新しい環境で生活しています。七ヶ浜町社会福祉協議会では高齢者を中心とした住民交流の場としてサロン活動を各地区で行なっています。
今年度はそのうち4か所のサロンで復興コンサート開催の依頼があり、桜二重奏のおふたり(マリンバ熊谷昇子さん、ホンダヒロヤさん)にご出演いただいています。松ケ浜・花渕浜・代ヶ崎浜に続いて、今日は菖蒲田浜地区サロンにお伺いしました。

毎回、社会福祉協議会のスタッフさんに楽器の搬出入をお手伝いいただきました。当初はマリンバの大きさや重さ、分解したパーツの多さにたじろいでいたのですが、4回目ともなるとみなさん手慣れた様子でてきぱきと作業し、あっという間に準備完了。ありがたいことです。
今年度の七ヶ浜ツアーは「なつかしのメロディーコンサート」と銘打ち、昭和20年代から平成初めまでの歌謡曲や、文部省唱歌などで構成されたプログラムでした。
熊谷さんが編曲した唱歌の数々はいつもの歌とちょっとちがう味わいでおしゃれな感じです。たとえば『紅葉』はクールなジャズになっていました。
ホンダさんは一見楽器とは思えないモノを鳴らして、打楽器の広がりを見せました。ここの台所から借りてきたバケツが和太鼓に、鍋が摺り鉦になって『村祭』を盛り上げます。お客さんは「あら~!」と大喜び。「なんで鍋があるのかなあって思ってたのよ~」と笑っていました。
今回は、コミュ二ケーションを促す仕掛けについて研究している東北芸術工科大学生の大内さんが参加し、音楽に合わせた体操を紹介しました。大内さんのリードでみなさんは『幸せなら手をたたこう』を歌いながら身振り手振り、少しまちがえてもそれがむしろ笑いを呼んで、賑やかに盛り上がりました。

社協スタッフによれば、参加者の中には一人暮らしの方が多く、こんなふうに大勢で歌ったり笑ったりする機会は少ないとの話でした。復興コンサートは短い時間ですが、少しでも気晴らしになったらいいなと思います。
最後はマリンバの真骨頂、ハチャトゥリアン『剣の舞』で締めとなり、目にも留まらぬスピード感あふれる演奏に拍手喝采が沸きました。或る方は「クリスマスとお正月が一緒に来たような、ぱーっとした気分になりました!」と感動した様子で感想を述べてくださいました。喜んでいただけて何よりです。地区サロンは来年度も継続する方向とのこと、またお目に掛かることもあるでしょう。

そして各地区に楽しい時間を届けてくださった桜二重奏のお二人に感謝申し上げます。ありがとうございました!