お知らせ

石巻「吉野町あったかコンサート」へ

2018.11.21

小春日和の予想に反して、ぱらぱらと雨のちらつく午後。神奈川フィルハーモニー管弦楽団から弦楽器奏者4名の皆さんが、石巻へ来てくださいました。今日から3日間、弦楽四重奏のコンサートをお届けに、石巻市内各所へご一緒します。メンバーは、1stヴァイオリン合田知子さん、2ndヴァイオリン桜田悟さん、ヴィオラ劉京陽さん、チェロ迫本章子さん。そして、今日明日は、司会として指揮者の堀俊輔さんもご一緒です。事務局からは櫻井専務理事と、広報担当の田賀浩一朗さんも同行くださいました。

開場は、開演の15分前です、とチラシに書いてあったのですが、1時間前に既におひとり、30分前には5人…みなさん、待ちきれない様子で次々と集まってくださいました。急遽、廊下スペースに椅子を出し、電気ストーブを出して、あれよあれよと開場時間を迎える頃には10人以上の方が既に集まってくださっていました。「今日が来るのを、とっても楽しみに待ってたのよ~」と声を掛けてくださる方や、三十数年前、小澤征爾さんが石巻にオーケストラと来た時のお話しなど、待っている間にも、様々な話題が飛び出していました。

いよいよコンサートが始まります。今回は演奏者の皆さんに、わざと”普段着”での出演をお願いしました。「吉野町 あったかコンサート」のタイトルどおり、演奏されるみなさんと聴いてくださるみなさんの、距離の近いコンサートになれば、と考えたためです。その”普段着”の、プロの演奏家のみなさんが始めに演奏してくださったのは、モーツァルトのディヴェルティメントK.136から第1楽章。溢れるばかりの美しい響きと、マイクを使っていないにも関わらず部屋中の空間を充たす音量に、みなさん、ぱっと表情が明るくなりました。

1曲目が終わると、扉が開いて登場したのは…「私の名前は、モーツァルトです!」バロック時代や古典派の作曲家が被っていた鬘を被った、指揮者の堀さんが登場です。「今、演奏したディヴェルティメントを作ったのは、私なんですが、実は日本国籍を持っていまして…」そんな語り口調に、会場は大笑い!出演者と楽器の紹介と、エルガー「愛の挨拶」の曲目紹介では、口下手だったというエルガーのエピソードなど、クラシックにはあまり縁のない方にも身近に感じられるようなお話しを盛り込みながら、楽しく進行してくださいました。

後半には中山晋平作曲による童謡を集めた「童謡メドレー」を。「しゃぼん玉」や「砂山」「あの町この町」など、幼い頃に口にした歌が多かったのか、あちこちから一緒に口ずさんでくださるみなさんの声が聴こえました。楽しい時間はあっという間。最後は「川の流れのように」を、会場のみなさんにもっしょに歌っていただいて、コンサートはお開きに。今回、お声掛けに尽力くださった新吉野町団地会長の岩井さんから、「今日は、朝早くから、また横浜や東京から、わざわざお出かけいただいて、ありがとうございました。こんな目の前で音楽を楽しませていただけて、本当に楽しかったです。また、いつかいらしてくださいね」と感想と御礼をいただきました。

そして今日は、お茶っこつきです。石巻復興支援ネットワーク(やっぺす)戸田さんのご協力で、元は湊地区にあった和菓子屋“岡埜栄泉”(おかのえいせん)さんから、どら焼きとあん玉を。また「石巻に恋しちゃった」で“お茶の達人”として講座を担当されているお茶ソムリエ、広渕“お茶の櫻井園”の櫻井さんが、美味しい玄米ブレンド茶を淹れに来てくださいました。用意してくださる傍から、お茶の良い香りがしてきます。次々に「お代わりいただけますか?」の声もかかりつつ、櫻井さんは休む暇なく次々にお茶を淹れてくださいました。そのお茶とお菓子をいただきつつ、神奈川フィルのみなさんも、それぞれに住民のみなさんと机を囲み、今の暮らしの話、昔の石巻の話など、話しの輪が広がっていたようでした。

神奈川フィルのみなさんとは、明日は復興公営住宅を2カ所と、石巻市総合福祉会館みなと荘、そして明後日23日はアイトピアホールにご一緒します。一般の方もお入りいただけますので、どうぞお出かけください!