お知らせ

荒井東「うたごえサロン」_2月

2019.2.19

仙台市若林区にある復興公営住宅である荒井東市営住宅町内会からの依頼で
2018年4月から「うたごえサロン」をお届けしています。
(仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」)

今季は暖冬で今夜は雨の予報ですが、このどんよりした曇り空を吹き飛ばす勢いで朗らかに歌いましょう!音楽リーダーのメゾソプラノ後藤優子さんとピアノ田村聡子さんは参加者のみなさんからのリクエストを特集したプログラムを用意して来ました。

いつものようにしっかりとウォーミングアップしてから、今月の3曲を歌いました。
その中に演歌の『二輪草』がありました。後藤さんも田村さんもクラシック音楽の勉強をしてきた方々ですが、歌謡曲や演歌も「勉強になります!」と果敢に取り組み、何より参加者の喜ぶ顔が見たいという気持ちで準備に余念がありません。
これは男女のデュエット曲ということで、男女に分かれて掛け合いしました。「あなた」と女性が歌い掛けると、男性が「おまえ」と応えます。その掛け合いがどこか恥じらいがあって、おばさま方がいつもより可愛らしく見えました。にっこりと妖艶に微笑みかけられ、おじさま方もまんざらではない様子。みなさんが歌を通して新鮮に見えた気がします。

と、町内会長さんがとなりの男性を指して「この人んちは『二輪草』じゃなくて『二輪車』だから」と言いました。もしやご夫婦でバイクがご趣味なのでしょうか。その方は「いや、うちで『おまえ』なんて怖くて呼べないよ!張り倒されちゃう」と答えたので、会場は大爆笑。いやはや愉快なメンバーが揃っていますね。
後半のミニコンサートで、やはりリクエストのあった『コーヒールンバ』が演奏されるや否や、二人のご婦人がやおら立ち上がり、「これは踊らなくちゃあ」と華麗なステップを踏みながらくるりとターンを決めました。えええっ、これまた意外な一面を見せていただきました。「懐かしい!昔ダンスホール行ってたから」「駅前にあったね」「そうそうグランドパレスね」「私も行ってたなぁ」と客席は話題沸騰。

或る方は「お姉さんについてパレス行ったのよ、長靴で…うち魚屋だからさ、いつも長靴なのよ」と笑って言いました。仙台駅前には憧れの文化が華開いていたのです。ステキな思い出ですね。歌をきっかけにこうして皆さんが思い出を共有できるのはいい光景だなあと思いました。今日はいろいろな一面が垣間見えて、みなさん一段と打ち解けた様子でした。

お帰りを見送る演奏家にみなさんいろいろと話しかけてくださいます。「うちの孫にキーボード買ったんだけど…」と楽器の相談をする人や、「この会があるから本当に助かってるの、ありがとう」と演奏者の手を握ってお礼を言う人、「俺もなんか楽器やってみようかな」と新たな意欲を見せる人などがいました。この会を通して参加者のみなさんがちょっと元気になっている様子が見えます。もうすぐ春ですね。