お知らせ

みやぎの「花は咲く」合唱団_9月

2019.9.27

≪みやぎの「花は咲く」合唱団≫
かつて宮城野区の仮設住宅にお住まいだった方や津波被災地域にお住まいの
おおむね60歳以上の方々と毎月1回合唱の練習をしています。
2013年10月から続いている活動です。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)

ここ数日の仙台は日差しが強く、日なたを歩いていると汗ばむ陽気が続いています。「花は咲く」合唱団メンバーもじんわりと滲む汗を拭いつつ、およそ2ヶ月ぶりとなる練習に集まってくれました。メンバー同士や、講師を務めるソプラノ齋藤翠さんとピアノ伴奏の目々澤亜紀さんとも「久しぶり~」と挨拶を交わし、今日も和やかな雰囲気で練習がスタート。まずは準備運動と発声練習を念入りに行い、しっかりと歌う準備をしていきます。

 

いざ歌の練習に入ってみると、お休みの間も自主練習に励んでくれたのでしょうか、きちんと声が出ていて音程もとれています。久しぶりなので大丈夫かなと思っていた、という翠さんも「全然心配いらなかったですね!」と驚いていたほどです。
今回重点的に練習したのは「子音は引き算する」こと。「子音を歌い過ぎて母音に移るのが遅れると、音楽が老けてしまいます」という翠さんが実際に子音の発音を変えて歌ってみると、その明らかな違いをメンバーも理解した様子です。特に濁音やカ行・タ行の発音が気になることが多いので、該当する部分を繰り返し練習します。
しばらく歌っていると、今度は「子音は引き算しても、母音は痩せないでください」との指摘が。子音を発音しすぎないことを意識した結果、全体的な声の響きも小さくなってしまったようです。あれもこれもと意識することが多くて大変ですが、意識しなくても理想の歌い方ができるように繰り返し練習していきましょう。

課題曲の1つである『ゴンドラの唄』の練習では、メンバーの歌声に少し首を傾げていた翠さんが、「分かった!みなさんの中に、歌いかける対象がいないんです!」と一言。うら若い少女に「素敵な恋をしなさい」と呼びかけている曲なのに、今の歌い方ではその相手がいない、と言われて思い当たる節のあるメンバーは思わず苦笑い。「少女(おとめ)じゃなくてもいいので、客席にいる誰かに伝えるつもりで歌ってください」という翠さんのコメントに今度は大笑いしつつ再チャレンジしてみると、歌い方も声の伸びも全く違ったものになりました。するとその変化を見た翠さんの指導は「歌詞の意味を考えるとそれに合わせて歌い方も変わってくるし、歌い方が変われば呼吸の仕方も毎回違ってくるんです」とさらにステップアップ。優しく語り掛けるように歌うときは長くゆっくりと息を吸う、強く響かせたいときは一気に大きく息を吸う、とお手本を見せてくれました。これまで音程や発音など様々な指導を受けましたが、呼吸の仕方にまで指導が入るようになってきました。
練習内容が徐々に高度なものになっていますが、みなさんならそれに応えてレベルアップしてくれると信頼しているからこその厳しさなんです。今日も色んなアドバイスがあって大変だったと思いますが、みんなで一歩ずつ前進していきましょう。

次回の練習は10月4日、来週です。日にちが近いですが、そのぶん今日の練習内容を忘れないうちに復習できると思います。どうぞよろしくお願いします!