お知らせ

荒井東_「うたごえサロン」12月

2019.12.3

仙台市若林区にある復興公営住宅である荒井東市営住宅町内会からの依頼で
2018年4月から「うたごえサロン」をお届けしています。
(仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」)

早いもので今年も残り1ヶ月となりました。例年よりずいぶん暖かかった秋も終わり、吹きつける風が日に日に冷たさを増していくように感じられます。
いつもは月の半ば頃に開催されることが多いうたごえサロンですが、今月は月初めの開催となりました。いつもと時期がずれていたせいか、今日のサロンをすっかり忘れていたという方も。姿が見えないのを心配した常連さんの電話を受け、急いで駆けつけてくれました。
さらに本日は、荒井東市営住宅のすぐ近くにある福祉施設の方にもご参加いただきました。常連さんと初めましての方々がだいたい半々となった会場に、音楽リーダーのメゾソプラノ後藤優子さんとピアノ田村聡子さんのお二人が笑顔で登場すると、温かい拍手が迎えてくれました。

いつもどおり、まずは体操と発声練習からスタートしました。後藤さんのリードで腕や首を回したり背伸びをしたりしていると、連日の寒さに縮こまった体には思った以上に効果があったようで、さっそく上着を脱ぐ方もいました。これからの季節はどうしても家にこもりがちになってしまうので、こうした体操をお部屋でも実践していただけたらと思います。

 

 

体も温まったところで、さっそく歌のコーナーにまいりましょう。今日は昭和40年代の歌謡曲が2曲プログラムに入っていて、参加者は歌詞カードを見るなり「あぁ、いいねー」とワクワクしている様子でした。そのうちの『ブルー・シャトウ』では、朗読の段階から歌うようにリズムをとっています。「ブルー ブルー ブルー ・・・」と繰り返しながら音程が上がっていくパートで、後藤さんが「音が高いときは、眉毛を上げて歌うと声が出しやすいですよ」とアドバイス。
こんなふうに、と眉を上げて大きく目を見開く後藤さんの表情に、初参加の方々を中心に驚く声と笑い声が上がります。みなさんびっくりしつつも忠実に再現してくれたので、高い音もよい声で歌うことができていました。本家の歌唱ではフルートの演奏とパフォーマンスも見どころのひとつですが、今日は小さいキーボードが登場し、フルートに似た音でメロディを奏でていました(さすがにフルートのようにグルグル回したりはしませんでした)。
よく耳にはするものの、自分で歌う機会は少ない『螢の光』もみんなで歌いました。お店の閉店時間に流れているイメージがありますが、閉店時のBGMとして流れているのは4拍子の原曲を3拍子にアレンジしたものなのだそうです。田村さんがそれぞれの拍子で弾いてくれるのを聞いて、その違いにみなさん「なるほどねぇ」と頷いていました。卒業式などで歌ったことが思い出されるのか、みなさんの歌声も感慨深げでした。歌い終わると何となく年末感が出てしまい、後藤さんは「よいお年を~」とご挨拶。参加者からも「ありがとぉ~」と返事があり、どっと笑いが起きました。

 

 

ミニコンサートのコーナーでは、さだまさしさんの『いのちの理由』が披露されました。曲名を聞くなりさださんが大好きだという施設長さんが「わ、泣いちゃう!」と声を上げました。誰もが家族や友人、そして愛しい人に出会うため、そしてしあわせになるために生まれてきたんだよ、といった言葉が後藤さんと田村さんのハーモニーで奏でられ、胸にじんわりと沁みこんでくるようでした。優しい余韻までじっくりと堪能した後、あたたかい拍手が沸き起こりました。

 

 

そして本日参加いただいた方の中に、まさに今日がお誕生日だという方がいらっしゃいました!「うたごえサロン」の場なので、みんなで『Happy Birthday to You』を歌ってお祝いしました。ご本人は照れながらも嬉しそうなご様子で、その笑顔にこちらも心がほっこりと温まりました。おめでとうございます!

今年の「うたごえサロン」はこれにて終了。本日初参加だった方々も終始楽しそうなご様子で、「また来ますね」とさっそく次回の日程をチェックしていました。ぜひぜひ、お待ちしております。
お見送りをする後藤さん・田村さんに挨拶をして会場を後にした常連のみなさんも、今年最後とあってどこか名残惜しい様子。集会所の前を通る際、室内に向かって大きく手を振りながら帰っていかれました。みなさん風邪など引かぬよう、よいお年をお迎えくださいね!また来年もよろしくお願いします。