お知らせ

雄勝オーリンクオーケストラ_1月

2020.1.20

NPO法人雄勝まちづくり協会は、震災後の雄勝町でまちづくりに取り組む団体です。                     町民一人ひとりが笑顔で暮らすことができるよう、民設民営の公民館としていきがいづくりを応援しています。  いくつものサークルが活動するうちのひとつが「雄勝オーリンクオーケストラ」です。             できる楽器を持ち寄って週に一度、アンサンブルを楽しむ音楽サークルです。                (公財)音楽の力による復興センター・東北では、1,2か月に一度、                      指導・編曲のためにクラシックギター奏者/作編曲家の小関佳宏さんを派遣しています。

2020年最初の訪問となったこの日。ちょうど中間地点にある道の駅 上品の郷からは、暮れゆく空がきれいに見えました。冬至から間もなくひと月が経ち、少しずつ少しずつ、陽が長くなってきているのを感じます。

到着すると、既に集まったメンバーで久石譲さんの「Summer」を合奏していました。新年の挨拶の後、年末にリクエストをいただいていた、小関さんの代表曲とも言える「オレンジ」の、出来立てほやほやの楽譜が配られました。これまでは、ビートルズやポップス、ゲームソングなど既存の曲を演奏してきましたが、小関さんのオリジナル曲、しかも、メンバー全員が大好きな曲「オレンジ」を、自分たちでも演奏できる!(かもしれない!上手になれば!練習すれば!)とあって、受け取るそばから皆、ニコニコが止まりません。

しばらくそれぞれが譜読みをしたのを見計らって、小関さんが「それじゃあ前奏だけでも、みんなで合わせてみましょうか」と声をかけました。小関さんが弾いてくださるギター独奏での「オレンジ」に、オーリンクハウス・バージョンとしてアレンジが加えられ、明るい前奏、ピアノソロの部分、みんなで演奏する部分と変化していきます。「できない~!」と言いつつも、苦手な部分を教え合ったり、補い合って、どうにかこうにか最後まで通すと、「はぁ~~~~~」「いい曲だねぇ~~」「この曲だけを、この一年練習するのでもいい!」などなど、思わず出てしまったため息や、感激の一言が飛び交いました。その後も少しずつ、この部分は誰と一緒に弾いているのか?誰がメロディーなのか?どの楽器の動きについて行くと良いのか?など、隣りの人や小関さんに相談しつつ、謎解きのようにして、個人練習と合奏を繰り返します。

休憩時間によく見ると、あれ?リコーダーのAさんの足元に、見たことのない美しい木製のリコーダーが。聞くと、サンタさんのプレゼントだそうで…ヒノキ製の楽器はプラスチック製のこれまで使っていたものと比べて驚くほどに軽く、息を入れるのもふわっと息を吐くだけで音が鳴ってくれるのだそうです。まだ、馴らしの途中とのことで、毎日少しずつ吹く時間を長くして、息を通していました。またアコーディオンのKさんの譜面台には3ページが一度に開ける、バインダーが。このオーケストラの活動も、始まってから随分と時間が経ち、それぞれが練習しやすいように、使いやすいようにと持ち物にも個性や工夫がでてきたことを感じました。

さて、練習再開です。「オレンジ」しか弾かない、というのも、それではせっかく編曲していただいた他の曲たちが寂しがるだろう、ということで、到着した際に聴こえていた「Summer」をやってみることにしました。よく弾けている人もいれば、実は複雑な臨時記号や、拍子の変わり目がなかなか目に入らない人も…。これは、もう慣れて覚えるしかありません…頑張りましょう!

そうこうしているうちに、あっという間に2時間。最後は、Youtubeで10年前の小関さんが「オレンジ」を弾いている映像を、みんなで覗きこみました。「若い~!」「変わってないですね」「やっぱりいい曲だねぇ~」今日、このセリフを何度口にしたかわかりません…!それだけみなさん「オレンジ」という曲が大好きなのですね。小関さんにとっても、初めてご自身の曲を雄勝のみんなに弾いてもらえた今日は、少し心配なような、やっぱり嬉しいような、どこかちょっと特別な一日だったようです。雄勝オーリンクオーケストラのメンバーひとりひとりにも、何かずっと大事にしたい宝物がひとつ増えたような気持ちを胸に、この日の練習は終了となりました。今年は、10月の文化祭まで今のところ出演予定はありませんが、目標を遠くに見つめて、今年もよろしくお願いします!