お知らせ

郡山・鶴見坦「春まちコンサート」へ

2020.1.28

郡山に、この冬初めての積雪となりました。(とはいえ、暖かいので雪はすぐに融けてしまいました。)今日は、福島県郡山市内の県営住宅(復興公営住宅)2カ所での「復興コンサート」です。出演は、クラシックギター奏者 佐藤正隆さんと小関佳宏さんによる二重奏。昨年9月以来のご出演となりました。まず午前中は、開成公園にほど近い、県営鶴見坦団地の集会室。特定非営利活動法人みんぷくとの共催での開催です。

コンサートは「まずは皆さん、よくご存知の曲を…」と美空ひばりさんの「川の流れのように」から始まりました。マイクを使っていないにも関わらず、ささやかでありながら耳元に美しく届く音色に、多くのみなさんが心地よさそうに聴き入っています。生の音のままでも、なぜこんなに豊かな音量が出るのか?楽器の仕組みについても、分かりやすくお話しくださいました。また、クラシックギターは、道具を使うのではなく、右手の爪を伸ばし、紙やすりで爪の形を整えて、いい音が出るようにと常に準備をしていること、紙やすりはプラモデルを作るのに使うのと同じもので、1000番台、2000番台と、どのくらい細かいものを使うかは、それぞれ個人的な好みによって違うこと、など、なかなか普通のコンサートでも聴く機会のないようなお話しもありました。

続いて演奏されたのは作曲家であり、ギター奏者でもあった佐藤弘和さんによって、始めからギター二重奏のために書かれた「遠い谷への旅」。表の板をこぶしの外側で「トントン」と叩いて始まるこの曲は、旅に出る主人公が目にする風景が、どんどん変わっていくのが目に浮かぶような一曲。音楽も、ゆったりとした平原を思わせる始まりから、次第に険しい山道を越えていくような緊迫感のある場面もあり、最後、静かに曲が終わった時には、お客さんからも安堵のため息が漏れ聞こえたようでした。

石川さゆりさんの「天城越え」は、小関さんの独奏で。これまで数々の編曲楽譜を出版されている中でも、この曲は特に「うまくできたなぁ」とご自分でも思うほどの渾身の1曲なのだそうです。その話を聞いて、お客さんもみなさん心なしか、少し前のめりになって聴き入っていらっしゃいました。曲調も歌詞もドラマチックな音楽は、ギター1本でも充分な気迫が伝わってきて、思わず唸ってしまうような集中したひとときでした。

アンコールには「アメイジング・グレイス」が演奏されました。終演後、みんぷくスタッフのYさんに促されて感想を話して下さった方は、「…目を閉じて聴いていたのですが…なんだか、心に染み入ってくるような音色でした…」と静かな笑顔でお話しくださいました。

集合住宅の1室である集会室は、畳敷きの広いお部屋です。郡山駅や町の中心部にほど近いことから、日中働いている方も多く、シニア世代とは生活サイクルが異なるため、顔を合わせる機会は少ないとのこと。町内会もまだ作られておらず、現在、特定非営利活動法人みんぷくが、町内会結成のためのサポートに関わっている団地です。この日は、「百歳体操」でも顔なじみになってきた、ご近所のみなさんにもお声掛けをしました。それでも、少ないかも…と予想されていたお客様ですが、最終的には支援者も含めて24名となりました。「こんなにたくさん集まってくださったのは、ここでのイベントでは初めてかもしれません!」とみんぷくスタッフ。出演者のお二人もそれを聞いてにっこりです。県営住宅内外で、今回のコンサートでお会いされたことが、挨拶を交わすきっかけとなったり、共通の話題としてお話しにのぼったり…そんな種まきになることができていたら…と願って、会場を後にしました。