お知らせ

郡山・富田団地「ホワイトコンサート」へ

2020.1.28

午前中に続いて、午後も福島県郡山市内の、復興住宅での公演です。出演は、ギター奏者 佐藤正隆さんと、小関佳宏さんによる二重奏。朝の雪はすっかり雨に変わりました。こちらでも共催させていただいた特定非営利活動法人みんぷくのスタッフYさんが付けた「ホワイトコンサート」というタイトル。もしや雪を呼び寄せてしまったのでしょうか…?舞台の後ろや吹き抜けの空間には、素敵なオーナメントとタイトルが飾ってあります。これはすべて、みんぷくスタッフさんの手づくり!いつもの集会所が、少し、いつもとは違うすてきなサロンに変身です。ログハウスのような木のぬくもりの残る空間に、演奏するお二人も「ギターにぴったりですね」「このくらいの広さは、生で聴いていただくのに丁度よいですね」と、リハーサルをしてみて実感されたようでした。

「川の流れのように」「遠い谷への旅」と続いて行き、正隆さんの独奏で「禁じられた遊び」も。「クラシックギター、と言えばこの曲、ですよね。これは実は『禁じられた遊び』という映画の主題歌で、曲のタイトルは「愛のロマンス」という曲でした」。意外と知られていない話題に、みなさん「へぇ~」とうなずきます。「ギター、という楽器は比較的、身近な楽器だと思うのですが、こうしたクラシックギターだけのコンサートを聴くのは、今日が初めて、という方は、どのくらいいらっしゃいますか?」そんな問いに、会場の2/3ほどの方が手を挙げました。「ギターは、こんな風に爪で弦を弾いて音を出します。その音は、一度出したら…自然に小さくなって消えていくのみ、なんですね。弦楽器や管楽器のように、後から段々強くしたり、ということは出来ない楽器です。それが、ギターの音色の儚さ、哀愁、といったイメージに繋がっているのかな、と思います」。そんなお話しを聞きながら、ベートーヴェンのピアノソナタ第8番「悲愴」の第2楽章、美空ひばりさんの「みだれ髪」を聴くと、それはもう、なんだかせつなくて仕方がないような気持ちになるのでした。

みなさんとご一緒にと用意されたのは「早春賦」。すると前に座っていた自治会長さんが、すっと後ろに席を立たれました。演奏者のお二人が「??」と見ていると「わたくし、声が大きくて皆様にご迷惑をおかけしてしまうので、後ろに失礼します」。そして始まった「早春賦」、会長さんの豊かないいお声にみなさん先導されて、気持ちよく歌声を聴かせてくださいました。思わず演奏していたお二人も、拍手!カラオケ部もある富田団地、お歌のお好きな方たちが多いのですね!

本編最後に演奏された、佐藤弘和作曲「赤トンボ幻想曲」は7分を超える大曲。とはいえ、ご自身もギター奏者であった佐藤弘和さんの編曲は、音色もリズムも、技巧的な見せ場も随所に散りばめられ、息の合ったお二人の演奏に、全く飽きる暇もなくみなさんが引きこまれていました。演奏が終わった瞬間に「ブラーヴォ!」の声も飛び出るほどの一体感。夢から醒めたように現実に引き戻されて、大きな大きな拍手が送られました。

終わった後、短い時間でしたがお茶会にも混ぜていただきました。正隆さん、小関さんから一言ずつ感想をいただいた後、言葉少なな男性のお客様から「今日は…良かった。」と一言。その一言に、様々な思いが詰まっていたようにも感じられました。

富岡町から避難されている方がほとんどの富田団地。そして台風19号の被害に遭われた方も現在は入居されています。ひととき、みなさまとご一緒できましたこと、雨の日にも関わらずお集まりいただけましたこと、感謝申し上げます。また、きっとお会いしましょう!