お知らせ

「鹿折に響け!令和の調べ♪~海と空のシンフォニー」

2019.9.29

気仙沼・鹿折地区は、東日本大震災で津波と火災に見舞われ、多くの命が失われました。その後、嵩上げ工事の後新しい街が作られて、水産工場、飲食店ほかの店舗、そして8棟の災害公営住宅ができ、自立再建した家に住む方たちも戻ってきています。

 鹿折公民館も、津波の被害を受けた後、1kmほど上流の鹿折小学校内へ居を構えていましたが、町の嵩上げが終わり、2018年11月10日に鹿折ふれあいセンターとして新しく開館しました。近くにある、すがとよ酒店の女将さんから「やっと鹿折にも、公民館ができるんだけど、そういうところでも、復興コンサートってお願いできたりするの?」と相談を受け、館長さんにご挨拶に伺ったのが昨年冬のこと。コンサートのタイトル「海と空のシンフォニー」は、すがとよの女将さんが付けてくださいました。コンサートの開催は、季節のいい時に、ということで、時間を置いて秋の始まりの開催となりました。とはいえ、この日は気温26℃、体育館の中はエアコンもないため30℃近い気温に!熱中症に気をつけながらの演奏会です。

100席は優に作ることのできる体育館でのコンサート。出演は、トロンボーン奏者 鈴木智さん(スージーさん)をリーダーに結成された、金管五重奏“スージー絆ブラス”のみなさんにご出演いただきました。後から分かったことですが、スージーさんの御祖父様は、気仙沼市唐桑町出身。また、唐桑小学校の校長を務めたこともあるそうで、思いがけず気仙沼・唐桑にご縁のある方に、ご出演いただくことができました。

プログラムは、「聖者の行進」を演奏しながら入場。ノリの良い楽し気なオープニングと、マイクを使わずとも充分に響く豊かな音量に、みなさん驚いていらっしゃいました。「草競馬」で有名な作曲家フォスターのメドレー、ひとりずつの楽器紹介、さては「ソーラン節」から「愛燦燦」、「めでたいサンバメドレー」では「てんとう虫のサンバ」「およめサンバ」「マツケンサンバ」と懐かしい曲のオンパレードに、みなさん表情が段々に解れていきました。一緒に歌っていただいたのは「北国の春」。季節外れではありますが、気仙沼・唐桑でこの曲はやはり外せません。歌詞カードを見ないで歌われる方がほとんど。男性ももちろん、気持ちよさそうに慣れた風情で歌われる方が多くいらっしゃいました。

この日は「鹿折じゃないんですけど、いいですか?」と遠くから来てくださった方、高校の模擬試験が終わってから来てくれた高校生など、予想以上に多くの方にお出かけいただけました。ようやくできた、鹿折の公民館。こんな場所ができたんだね、と初めて入る様子の方もいらっしゃいました。そしてここへ来て、「あら!来てたの!」「今どこに住んでいるの?」と再会を喜ばれる方も。そんな、顔を合わせるきっかけに、今回のコンサートがなれていたらとても嬉しいです。暑さ、まぶしさとの闘いともなった、スージー絆ブラスのみなさんも、本当にありがとうございました!