お知らせ
「みんなの家 秋のコンサート」開催しました
- 2013.11.5
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ここ福田町南一丁目仮設住宅では8月から「花は咲く」合唱団プロジェクトの練習会を開いています。芸術の秋に、あらためて合唱指導者である齋藤翠さんの歌声を聴いていただこうとコンサートを企画しました。ピアノは偶然にもすぐ近くにお住まいの佐藤亜紀さんです。
この日は天気がよく、畑へ出かけてしまう方や、お孫さんが泊まりに来ているという方もあって、いつもとちがう雰囲気でした。時間になるとおよそ15名の方々が集まりました。 「みかんの花咲く丘」から始まり、「ペチカ」などの懐かしい歌、また、ここオリジナルの『冬の歌集』をお借りして「見上げてごらん夜の星を」を一緒に歌いました。後半では「オペラの魅力も知ってほしい」と、オペラ『椿姫』より「乾杯の歌」を聴かせてくれました。日本の唱歌のときとは声の大きさも表情の豊かさや迫力も違って、「こんな高い音が出せるの?!」というような高音もピタッと決まり、大喝采となりました。続く「青葉城恋唄」では、最後の歌詞の一節に震災当時に起こったことを思い出される方も多く、コンサートの最後で挨拶をされた自治会長の瀬戸さんもお話しの途中で言葉を詰まらせ、自分たちの住んでいた岡田地区だけで60名の方があの日突然にいなくなってしまったこと、それでも自分たちはここで生きていかなければいけないのだということを話してくれました。客席のあちこちからも、すすり泣く声が聞こえました。
自宅を改修して戻られる方も増えてきました。みなし仮設の契約更新がされず、新たにここへ移ってくる方もいらっしゃいます。来年3月末には、70歳以上の方からまず先に復興公営住宅に入ります。ここにきて、せっかく一から作ってきたコミュニティも、また再構築していかなければなりません。つくづく、外から関わる者が出来ることは、ほんの僅かなことしかないことを思い知らされました。「花は咲く」合唱団プロジェクトは、宮城野区で被災された方や、被災して宮城野区に移り住まれた方と共に、来年4月のコンサートを目指して活動を続けていきます。みんなの家からの参加が1人になっても2人になっても、それでも月に一度の練習会を楽しみに、私たちも通い続けたいと思います。