お知らせ

おおたま社協サロン「虹の立つ村音楽会」

2021.9.27

福島・本宮駅からタクシーで10分。安達太良山の麓にある大玉村農村環境改善センターへ、二度目の訪問でした。(社福)大玉村社会福祉協議会が主催する月に一度の「おおたま社協サロン」。9月の例会として「虹の立つ村音楽会」が開かれました。出演は福島市在住の”笛木琴”のおふたり、マリンバの小林直央さんと、フルートとピアノの井上実畝さんです。

この大玉村にも福島県沿岸部から、原発事故によって移住を余儀なくされた方、また現在も避難を続けている方々が暮らす復興団地があります。また中古住宅を購入されたり、自宅を建てて移住された方も多くいらっしゃるそうです。元は、今年1月に予定されていましたが、開催中止となり、改めて夏にご相談をいただきました。お盆以降、再びイベントが中止となっていく中で「9月のサロンは、できれば開催したい」と社協スタッフさんと共に様子を見続け、状況が大幅に良くなってきたことから、開催を決めました。受付では検温と消毒をお願いしました。

この日は、大玉村社会福祉協議会事務局長がご挨拶くださいました。双葉町・富岡町から避難・移住された方々と、地元大玉村の方、どなたでもどうぞご参加ください、というスタンスの社協サロン。感染症対策として参加人数を限り、回数を分けて、それでも交流の場を出来るだけ無くさないようにと続けていらっしゃいます。とは言え「チラシを1ヶ月前に配ったものの、その後、積極的にお誘いして良いものかどうか、本当に迷いながらなかなか声が掛けられなくて…1週間前になってから、バタバタと電話掛けたりしてたんです…」と社協のSさん。それぞれの立場で、本当に迷いながら、悩みながら、どうにか今日を迎えました。見学の被災者支援団体NPO法人みんぷくスタッフを含めても、20名ほど。本当は300名収容定員の会場に広々と席をつくり、気分だけでも、優雅なサロンコンサートを目指しました。

マリンバとピアノあり、フルートとマリンバあり、マリンバ・ソロあり、様々な組合せでの演奏です。コンサートは運動会でおなじみの「道化師のギャロップ」で始まりました。小林さんはマレットの種類によって音色が変わることを、実際に音を鳴らしながら紹介いただき、みなさん「へぇ~!」と興味津々。マリンバ独奏で演奏された「カバレリア・ルスティカーナ」より「間奏曲」は、よく響く会場に豊かな響きが拡がり、音に身体ごと包み込まれるようでした。フルートの紹介では、井上さんが”フルート用のマスク”を紹介され、みなさん「そんなものまであるの!?」と驚かれた様子。「アルルの女」のフルートの音色も美しく、実畝さんが歌うように奏でるメロディーに、うっとり。

コンサートタイトルにちなんで選曲した「虹の彼方に」。小林さん曰く「実は、唯一の趣味が、ゴルフでして、大玉村というとそのゴルフをしに何度か訪れたことがありました。その時にも大きな虹を見たことがあって、よく虹がかかるところと聞いてその時のことを思い出しました」。古関裕而、美空ひばりメドレーでは、ノリノリで聴かれるマダムが。大声で一緒に歌ってください!とは言えない今、今回は、手拍子や足拍子などボディパーカッションでみなさんにもご参加いただきました。曲は「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」、難易度が高く頭の体操になりました!

アンコールはドヴォルジャークの「家路」をしっとりと。なんとも名残惜しい、あっという間の50分でした。最後に、席に座ったままで記念写真をご一緒しました。感染症対策としてお客さんを見送ることは取りやめましたが、そのかわりに感想カードに一言お願いしました。そのカードを出口で受け取ると「とっても良かったよ!」と一言声を掛けてくださったお父さんが。やっぱり直接言っていただけるとじんわりと心が温かくなりました。ありがとうございます!感想カードには「今日一日、いい日になります!」「生のコンサートは10ヶ月ぶり」と言う方も。可愛らしいイラスト入りもあり、早速、出演者のお二人にもお届けしました。

”笛木琴”のお二人にとっても、多くの公演が中止となってしまったこの夏。お客様の前での演奏はやはり、特別な時間だったようです。また社協スタッフのお二人からは「もっとたくさんの方にお聴きいただきたかった!」と言っていただきました。感想カードにも「また大玉村へおいでください!」との嬉しいお言葉をいただきました。再訪の機会がありますように、そして少しずつ、こうしたハレの日が日常に戻ってきますように!