お知らせ
岩沼「うたのひろば にゃん♪」_12月
- 2021.12.3
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復興センターではオペラ愛好会【Morino花cco】【すずの会】と協力して
岩沼市で月に1回「うたのひろば にゃん♪」を2020年秋から開催しています。今日は全国的に冷え込み、仙台の街なかでも初雪が降りました。岩沼も朝から冷たい風が吹いて、いよいよ本格的な冬が訪れる兆しを感じます。
そんな寒い朝でしたが、今日もたくさんの方にお集まりいただきました。音楽リーダーを務める仙台オペラ協会のソプラノ岩瀬りゅう子さんと松本康子さん、ピアノの富樫範子さんも、リクエスト曲を含めた楽しいプログラムを用意して待っていました。岩沼のうたのひろばは、他の会場に比べて男性参加者の人数が多めで、さらに皆さんとても大きな声で歌ってくれます。今日はそんな男性陣が大活躍しました。
<遠き別れに耐えかねて>で始まる『惜別の唄』は、ある男性参加者からのリクエスト曲。すると岩瀬さんはその方に1番だけソロで歌ってほしいとお願いしました。突然のお願いに男性はちょっと驚いたようでしたが、さっと立ち上がって堂々と歌声を披露してくれました。曲に込められた、大切な友との別れに対する悲しみを情感たっぷりに歌い上げた男性に、大きな拍手がおくられました。
『北風小僧の寒太郎』は、この曲が十八番だというすずの会のメンバーが歌ってくれました。
自前のマントを身に着けて登場した寒太郎と一緒に歌いましょう!とスタートしたのですが、彼の歌声に聴き入ってしまっていました。岩瀬さんに「みんな圧倒されていたので、もう1回」とうながされて、2回目はみんなで元気に歌いました。
会の終盤には、岩瀬さんに歌を習っているという男性と岩瀬さんのお二人で『虹』という曲を歌ってくれました。その男性は次の演奏会でこの曲を披露する予定で、現在練習中なのだそうです。当初は岩瀬さんがお一人で歌う予定だったのですが、思いがけず男性が今日のうたのひろばに参加してくれたので、急きょ二重唱をお願いしたのだとか。戦死した友を偲ぶ曲を歌い上げるその声に、みなさん静かに耳を傾けます。なかでもお一人の男性が上体をかがめて、考え込むようにじっと聴き入っていた姿が印象的でした。
他にも『喜びも悲しみも幾年月』や『小さな木の実』、『冬景色』など季節感いっぱいの曲をみんなで歌って楽しみました。松本さんはクリスマスにちなみ、ヘンデル作曲の『メサイア』をチョイス。
『メサイア』はイエス・キリストの生涯題材に、いくつもの楽曲で構成されたオラトリオですが、そのうちの御子の誕生を祝う12番目の曲をゴスペル風にアレンジしたバージョンで歌ってくれました。本来はは混声四部合唱用の曲をひとりで歌うのはそうとう大変だったと思いますが、その歌声には力強さや喜び、希望にあふれていて、自然と体でリズムを取りながら聴いている人が何人もいました。岩沼のうたのひろばは、本日で歌い納めです。今年の活動を振り返った岩瀬さんの「今年も様々な艱難に向き合いましたが、そんな中でもこういうホッとできる時間を皆さんと持てて嬉しかったです」という言葉に、参加者は何度も頷いていました。ままならぬことが多かった1年でしたが、みんなで月に一度集まって音楽を楽しむ時間が持てたことは本当に幸せでした。
来年の岩沼・うたのひろば、歌い初めは1月6日です!来年も引き続き、皆さんと楽しい時間をご一緒できれば嬉しく思います。(この事業は令和3年度宮城県NPO等による心の復興支援事業補助金を受けて実施しました。)