お知らせ

七ヶ浜町吉田浜へ

2021.11.30

日差しがぽかぽかと暖かい小春日和の今朝は、宮城県七ヶ浜町の吉田浜コミュニティセンターに伺いました。
今日の陽気に誘われて、そしてコロナウィルス感染症の流行がひとまず落ち着いているからでしょうか、会場には予想していた2倍もの来場者がいらっしゃいました。
中には「たまたま散歩で通りかかったの」という方もいました。どうぞゆっくり楽しんでいってくださいね。

出演はジャスミン・トリオのみなさん(フルート櫻井希さん、クラリネット菊池澄枝さん、ピアノ鷲尾恵利子さん)です。一昨日に気仙沼で復興コンサートツアーを行なったばかりですが、疲れた様子も見せず、華やかに登場しました。オープニングはチャイコフスキー『花のワルツ』です。窓から差す明るい日差しの中に、軽やかなそよ風を運んでくるようでした。お客さんも自然と体を揺らし始め、右に左にと心が踊っているようでした。
2曲目の『アメイジング・グレース』について澄枝さんは「震災から10年が経ちましたが、改めてあの日に祈りを込めて、そして未来への希望を感じられる曲を演奏したいと思い、選びました」と語りました。クラリネットとフルートの温かな音色に包まれながら、お客さんの集中が一段高まったようでした。
続くプログラムはクラシックに限らず、ジャズ、歌謡曲など、バラエティ豊かな選曲です。時折、客席からは口ずさむ歌声が聞こえてきたりもして、演奏を楽しんでいることが伝わってきました。
ピアノの鷲尾さんはソロ演奏のときに譜面台を取り払って、クラシックの名曲メドレーを披露しました。そう言えば、ピアニストが演奏する姿を真正面から観るということはあまりない経験ですね。オッフェンバックやブラームス、ハチャトゥリアンらの調べを繰り出す華麗なる指さばきにお客さんは「ほ~」と感心して見とれていました。
アンコールは一足早いクリスマスプレゼント。演奏家のみなさんがトナカイやサンタのカチューシャを着けますと、あちこちから「かわいい~!」と声が上がりました。
演奏家は「その言葉が栄養になります」とにっこり笑顔で、おなじみのクリスマスソングをメドレーで演奏しました。曲に合わせて手拍子も湧いてきて、朗らかなエンディングとなりました。

閉会の挨拶で、社会福祉協議会の事務局長さんが「櫻井さんは演奏の時に悲しそうな顔をしてましたね」と冗談まじりに言うと、櫻井さんは「どうしても感情移入しちゃうんですよ~」と照れ笑い。その気持ちが音を通してお客さんに伝わるんですね、きっと。
お客さんからは「久しぶりの生演奏で楽しかった」「フルートが木管楽器だと初めて知りました」「今度はクラシック音楽の特集をぜひ!」などさまざまな声が聞かれました。お客さんも演奏家も、今日の日差しのようなほかほかとした気持ちをお土産に帰路についたようです。みなさんありがとうございました!(この事業は令和3年度宮城県NPO等による心の復興支援事業補助金を受けて実施しました。)