お知らせ
亘理「うたのひろば にゃん♪」_12月
- 2021.12.16
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復興センターでは歌のサークルMorino花ccoのみなさんと協力して
宮城県亘理町で月に1回「うたのひろば にゃん♪」を開催しています。今日は年内最後の「うたのひろば にゃん♪」in亘理です。この季節にしては暖かい気候のおかげか、ご新規さんも含めてたくさんの方にご参加いただきました。みなさん開演を待つ間、お世話役のスタッフさんが飾ってくれたクリスマスツリーやリースを眺めながら、「もうこんな時期だねぇ」と口々に話していました。
音楽リーダーを務める仙台オペラ協会のソプラノ岩瀬りゅう子さんと松本康子さん、ピアノの阿部恵美子さんも、クリスマスモチーフのかわいいカチューシャをつけて登場!お三方と一緒に、今日も楽しく歌っていきましょう。まずは先月に引き続き、みんなでハンドベルにチャレンジしました。今日の課題曲は『ジングルベル』です。前回はおっかなびっくりな様子でベルを鳴らしていた参加者も、2回目で早くも慣れたのか演奏が格段にレベルアップしていました!前回はとにかく必死な顔で鳴らしている人がほとんどでしたが、今日は演奏を楽しむ余裕ができていたようです。終わったあと「楽しかったわ」と笑顔をみせていました。
さて、今日のプログラムのテーマは<故郷>です。
最初に松本さんが『さようなら、ふるさとの家よ』という曲を歌ってくれました。
これは「ワリー」というオペラのアリアで、父親に好きな人との結婚を反対された娘が家を出る決心をする場面で歌われる曲です。イタリア語の歌詞でしたが、松本さんの歌声からは恋のために故郷を捨てようとする女性の決意と葛藤がひしひしと伝わってくるようでした。参加者もうっとりと聴き入り、部屋いっぱいに歌声を響かせた松本さんに大きな拍手を贈っていました。
余韻にひたる参加者に岩瀬さんが「次はみなさんが歌うんですよ!」と声をかけると、誰かが「う~ん」と自信がなさそうな声をもらしたので、みんな思わず笑ってしまいました。松本さんのように、とはいきませんが、うたのひろばでは楽しく歌うことが一番の目標です。気おくれせずにみんなで元気に歌いましょう!みんなで歌うコーナーは『誰か故郷を想わざる』で始まりました。第二次世界大戦中に慰問用として戦地にレコードが送られ、兵士の間で大ヒットした曲だそうです。一方、望郷の念をかき立てられるこの曲を士気が下がるという理由で禁止する動きもあったそうで、岩瀬さんは「この頃は悲しみをそのまま表現することが許されないことがあったんですね」とぽつりと話していました。さっそくみんなで歌ってみたところ、みなさんこぶしを効かせたすばらしい歌いっぷり!「このこぶしを楽譜におこすと難しいのに、みなさん何でもなく歌っていますね」と岩瀬さんも感心してました。
次に歌った『故郷の空』は、原曲がスコットランド民謡です。スコットランド民謡には特徴的なリズムがあるそうで(スコッチ・スナップといいます)、試しにそのリズムを意識して歌ってみたのですが、慣れない異国のリズムに参加者は大苦戦。その様子を見た岩瀬さんが「やっぱり慣れたメロディで歌いましょうね」と仕切り直してくれました。音は一緒なのに、リズムが違うだけで歌いやすさが全然違うものですね。
この他にも『故郷の廃家』(ヘイス作曲)、『故郷の人々』(フォスター作曲)、『故郷を離るる歌』(ドイツ民謡)といった、日本の歌かと思いきや外国の曲が原曲だった、という曲を歌いました。中には原曲の歌詞とは全く異なる内容になっているものもあるので、聴き比べてみるのも楽しいかもしれませんね。締めには岩瀬さんが『東京ラプソディ』を、サビの地名を<亘理>に変えた、うたのひろば特別バージョンの歌詞で歌ってくれました。参加者も手拍子や「わたり!」の合いの手で参加し、楽しい歌い納めとなりました。
今年も残すところあと2週間となりました。週末からは急激に冷え込むようですが、風邪などひかないよう気をつけて、また来年元気にお会いしましょうね。(この事業は令和3年度宮城県NPO等による心の復興支援事業補助金を受けて実施しました。)