お知らせ

岩沼「うたのひろば にゃん♪」_1月

2022.1.6

復興センターではオペラ愛好会【Morino花cco】【すずの会】と協力して
岩沼市で月に1回「うたのひろば にゃん♪」を2020年秋から開催しています。

澄みわたる青空が清々しい今日は、今年最初の「岩沼うたのひろば にゃん♪」開催日です。音楽リーダーを務める仙台オペラ協会のソプラノ岩瀬りゅう子さんと松本康子さん、ピアノの富樫範子さんは新年から元気いっぱい!懐かしい歌をたくさん用意してきてくれました。

最初に歌った『いつかある日』は、常連の男性からリクエストがあった曲です。登山家の男性が、もし自分が山から帰らなかったらこうしてほしい、と言い残す歌詞は、なかなか胸に迫るものがあります。リクエストした方も登山をされるそうで、大きく広がる急斜面の岩場が<フェイス>、石を積み上げて道標にするのが<ケルン>、岸壁などを登るときに打ち込むボルトを<ピトン>と呼ぶなど、歌詞に出てくる専門用語を解説してくれました。きちんと意味を把握してから歌うと、厳しくも美しい冬山の情景が浮かんでくるようですね。
続く『ペチカ』も冬にぴったりの曲です。みなさんよく知っている曲なのですぐに歌えたのですが、最後の部分を♪ペーチーカーと歌う人と♪ペィチカーと歌う人で分かれました。「どちらが正しいんですか?」と尋ねられた岩瀬さんは「楽譜にもよるので、それぞれ歌いやすいほうで良いと思いますよ」と答えていました。ペチカとはロシアの暖炉のことで、<ペィチカ>のほうがロシア語の発音に近いのだとか。松本さんは「昔は♪ペーチーカーと歌う人が多かったですが、最近は♪ペィチカーのほうが多い気がしますね」と話していました。この他にも『ずいずいずっころばし』や『りんごのひとりごと』など、楽しく懐かしい曲を歌いました。

ソロコーナーで松本さんが歌ってくれたのは、オペレッタ「ジュディッタ」の中の1曲『熱き口づけ』でした。主人公のジュディッタが歌うスペイン風のワルツであるこの曲を、松本さんはカスタネットの演奏とダンスをしながら情熱的に歌ってくれました。このカスタネット、音楽の授業で使うような上から叩いて鳴らすものではなく、左右の手に1個ずつ手のひらに握り込むようにして持ち、指で打って音を鳴らすタイプのものでした。その構造と鳴らし方にみなさん興味津々。手に取って実際に鳴らしてみたのですが、なかなか松本さんのようには鳴らせませんでした。単純な構造の楽器ですが、奥が深いですね。

岩瀬さんはすずの会のおふたりと一緒に『ウィーン、わが夢の街』を歌ってくれました。メインパートを任されたすずの会のおふたり、発声練習なしの簡単なリハーサルだけで本番を迎えることとなりましたが、それを感じさせない見事な歌声でした。岩瀬さん・松本さんもそうですが、朝からこれだけの声量で歌えるだけでも本当にすごいことだと思います。

最後にみんなで『花は咲く』を歌いました。あと二ヶ月ほどで震災から丸11年を迎えますが、この曲を歌うときはいつも特別な気持ちになります。参加者の中には歌詞を朗読しながら目元をぬぐう人や歌う前にじっと上を向いていた人、歌い終わりにふ、と息をつく人などがいて、それぞれ色んなことを思いながら歌っている様子が見て取れました。

今年最初の「うたのひろば にゃん♪」、お楽しみいただけたでしょうか。今年もまだまだ予断を許さない状況が続きそうですが、月に一度のこの時間をみなさんとご一緒できるよう、できる限りの対策をしながら取り組んでいきたいと思います。今年もどうぞよろしくお願いいたします!(この事業は令和3年度宮城県NPO等による心の復興支援事業補助金を受けて実施しました。)