お知らせ

田子西「うたカフェ♪」_2月

2022.2.18

仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅では
町内会主催のサークル活動として、この住宅とその周辺にお住まいの方々の
交流の場「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌を楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、音楽リーダーをコーディネートしています。
(仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」)

日中は日差しの暖かさを感じる日も増えましたが、朝晩を中心に外出するのがおっくうになるような寒さもまだまだ残っています。
そんなときは「うたカフェ」で楽しく歌って全身運動!今日は音楽リーダーのお一人・岩瀬りゅう子さんがお休みのため、仙台オペラ協会ソプラノ松本康子さんと、ピアノの富樫範子さんのお二人でお届けします。「喫茶ひこ」のマスター西垣信彦さんも、お土産用のコーヒーを準備してきてくれました。

まずは恒例のウォーミングアップで体をほぐしたあと、童謡『春よこい』を歌いながら歌詞に合わせた振り付けで体を動かしました。冬はどうしても体を動かす機会が減りがちなので、ちょっと動くだけでも何となくスッキリしますね。
そのあとは2グループに分かれて『うさぎとかめ』を歌いました。
<♪もしもしかめよ~>から始まる1番は聞く機会も多いですが、最後まで歌うことはあまりない曲だったのではないでしょうか。うさぎが自分の足の速さを自慢したくてかめに競争を持ちかけたイメージがありましたが、歌詞を読んでみると競争しようと言い出したのはかめのほうからなんですね。その点に触れて「かめはうさぎの習性を熟知していて、勝算があったから競争を持をちかけたんですよ」という松本さん。何だかかめに対する印象が変わりそうですね。

さて、続いては今日の山場!誰でも一度は歌ったことがあるだろう『花』の、二部合唱に挑戦しました。低音パートは1番と3番で音が違っていたり、2番だけは主旋律を歌ったりとけっこう難しいのですが、松本さんのリードで繰り返し練習すると、何となく歌えるようになっていきました。最後の仕上げに、自由に主旋律と低音パートに分かれて合唱してみると、なかなかに美しいハーモニーが生まれました。ちょっと大変だったかもしれませんが、あきらめずにチャレンジしてくれたみなさんの姿勢に拍手です!

最後は『春の小川』や『たなばたさま』『紅葉』など、7曲からなる季節の唱歌メドレーを歌いました。ホワイトボードに歌い出しの歌詞だけ書き出しておいたのですが、歌っていると意外とスルスルと歌詞が出てくるもので、みなさん「あら、歌えるね」と楽しそうでした。ちなみに、今回いちばん歌詞があやふやだったのは<♪さぎり消ゆる湊江の>から始まる『冬景色』でした。言葉遣いや歌詞の意味が他の曲より少し難しかったからかもしれませんね。実はこのメドレー、別の会場で岩瀬さんと二重唱で歌うはずが、そのときは松本さんがお休みになってしまったので今回に持ち越したのだとか。ところが今日は岩瀬さんがお休みに。「絶対二人で歌ったのを聴いていただきますから!」という松本さんに、みなさん「待ってますよー」と答えていました。

音楽リーダーによるミニコンサートでは、今期の朝ドラにちなんでルイ・アームストロングの曲が取り上げられました。松本さんは岩瀬さんと二重唱で歌う予定だった『ハロー・ドーリー!』を一人二役で、富樫さんはドラマの中で何度も流れる『オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート』をピアノで弾いてくれました。うたカフェの参加者には朝ドラを視聴している人が多いので、先品を通して身近になったジャズナンバーを楽しそうに聴いていました。

また、松本さんは最後に松任谷由美さんの『春よ、来い』も歌ってくれました。東北でも梅が咲き始め、少しずつ春が近づいている今日この頃。新しい季節の訪れへの不安と、それを振り切って前に進もうとする歌詞がじんと胸にしみるようです。なかなか先が見通せない状況が続いていますが、どうか穏やかな春がきますようにと願わずにはいられませんでした。

次回のうたカフェは3月18日に開催予定です。ぜひまた足を運んでいただけるとうれしいです。