お知らせ

田子西「うたカフェ♪」_3月

2022.3.18

仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅では
町内会主催のサークル活動として、この住宅とその周辺にお住まいの方々の
交流の場「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌を楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、音楽リーダーをコーディネートしています。
(仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」)

一昨日の夜に震度5強の大地震があって今日のうたカフェ開催はどうなることかと思いましたが、
会場に被害はなかったとの話を聞いてひと安心。今年度の締めとなる今日は雪まじりの冷たい雨が降る日となりました。せっかく咲いた梅やマンサクが寒そうに見えます。やや激しい三寒四温ぶりですが、楽しく歌っていきましょう。今日も音楽リーダーを務めるのは仙台オペラ協会のソプラノ松本康子さんと岩瀬りゅう子さん、ピアノ富樫範子さんです。
春は別れの季節でもあり、出会いの季節でもあります。今日のプログラムはそんなせつなさと喜びにあふれたラインナップでした。まずは唱歌『どこかで春が』『早春賦』を歌います。岩瀬さんから「〈山の三月、東風吹いて〉をゆったり伸び伸びとした身体で歌ってくださいね」とアドバイスがありました。松本さんは『早春賦』にある春に対する心情をはっきり表すことをみなさんに勧めていました。歌詞にある「今日も昨日も雪の空」のがっかり感はまさしく今日にぴったりでしたね。

続いては荒井由実『卒業写真』を歌いました。「みなさんそれぞれの〈あの人〉を思い描きながら歌ってみてください」と、松本さん。どんな青春の一ページを思い出していたのでしょうね。
「卒業アルバムはまだ持ってますか?」との質問に「あったけど、流されちゃったね」という声があちこちから聞こえてきました。

卒業のあとは入学!ということで、童謡の『一年生になったら』『とんとん友だち』を歌いました。どちらの曲も童謡ならでは軽快なリズムで、歌うと朗らかな気持ちになります。岩瀬さんは『とんとん友だち』にある「ごめんなさい」「くしゃみした」「べそかいた」のところを「いかにもそんなふうに歌ってくださいね」と言い、みなさんは歌の〈表現〉に挑戦していました。

松本さんと岩瀬さんはデュエットで『逢えてよかったね』を歌い、みなさんしみじみと聴き入っていました。ちょっと涙ぐんでいる人もいました。最後は、松本さんがソロで『B.G.M』を披露し、ブロードウェイミュージカルのような賑やかさでお開きとなりました。
コロナ禍で活動に制限はありますが、しかしこうして集い、顔を合わせ、ともに音楽を楽しむ場所があることのしあわせを改めて思いました。この平和が続きますように、と祈るばかりです。