お知らせ
荒井東「音楽サロン」_5月
- 2022.5.17
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仙台市若林区にある復興公営住宅である荒井東市営住宅町内会からの依頼で
2018年4月から音楽を楽しむ会をお届けしています。
(仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」)お久しぶりの訪問となった荒井東市営住宅の「音楽サロン」。諸々の事情でお休みが続いたため、なんと今日が今年初の開催。足を運んでくれた常連さんから「楽しみにしてたのよ」と声をかけていただき、とても嬉しく思いました。
もちろん音楽リーダーを務めるメゾソプラノ後藤優子さん、ピアニスト田村聡子さんも、荒井東の皆さんに会えるのを心待ちにしていました。「皆さんお元気でしたか?」と会場に入ってきたお二人も、拍手で迎えた参加者もキラキラした笑顔で再会を喜んでいました。久しぶりの音楽サロンは、じっくり体をほぐすことから始めました。今日の仙台は空気がひんやりとしていて、肌寒さすら感じるような天気でした。そのため集会所も最初は暖房をつけていたのですが、ひと通りウォーミングアップを終えると、みなさん「ぽかぽかしてきた」と言いながら上着を脱ぎ出しました。血行が良くなったのでしょうね。ちょっと体を動かすだけでも全然違うので、ぜひおうちでも軽い運動をしてみてくださいね。
今日は歌のコーナーで最初に歌った『北国の春』にも体操を取り入れていました。歌と体操を一緒にこなすのはちょっと大変でしたが、みなさん後藤さんをお手本にしながら上手に体を動かしていました。
他にも『茶摘み』と『男はつらいよ~寅さんのテーマ』の2曲を歌いました。『男はつらいよ』は同名の映画の主題歌。「浅丘ルリ子がマドンナだったのを観に行ったよ」「いつもお正月に上映してたよね」と懐かしい話に花が咲いていました。曲の最初と最後にはおなじみの口上も。寅さんになりきった小気味よい語りを終えると、なんだかとてもスッキリした気分になりました。
みんなで歌うコーナーのあとは、音楽リーダーによるミニコンサートの時間です。季節はもう初夏ですが、過ぎた春を惜しむ気持ちを込めて、春の曲が盛り沢山のプログラムでお届けしました。
1曲目は滝廉太郎作曲の『花』。うららかな春の隅田川の情景が浮かぶ唱歌を、田村さんもコーラスに加わって歌ってくれました。「本当は桜の季節に歌いたかったんですけどね」と後藤さん。確かに桜が咲く春爛漫の頃ならよりいっそう気持ちよく歌えそうですね。ぜひ次の春にはみんなで歌いたいものです。
このあと田村さんがピアノでビバルディの『春』を演奏してくれました。曲名では分からなかった人も、演奏の最初を聴いただけで「あ、この曲!」と分かるくらい耳にする機会が多い曲です。『花』と同じく、春の訪れに心弾ませているようなキラキラとしたメロディが聴き手の気持ちも明るくしてくれますね。
他にも『てんとう虫のサンバ』や『襟裳岬』、そして『星のフラメンコ』を男声キーと女声キーで歌って参加者を驚かせるなど、ボリューミーなプログラムで楽しませてくれました。
最後にアンコールに応えて歌ってくれた曲は『花は咲く』でした。「みなさんの心にも花が咲くよう、祈りを込めて歌います」と言った後藤さんと、伴奏を弾きながらコーラスで参加する田村さんの歌声が、日々の生活にちょっと疲れた心にそっと寄り添ってくれるようです。お二人の優しいハーモニーを、参加者はじっくりと噛みしめるように耳を傾けていました。五ヵ月ぶりの開催となった「音楽サロン」、みなさんにお楽しみいただけたようで何よりです。6月以降も毎月第三木曜日に開催予定ですので、また足を運んでいただけると嬉しいです。