お知らせ

みやぎの「花は咲く」合唱団_9月

2022.9.26

≪みやぎの「花は咲く」合唱団≫
かつて宮城野区の仮設住宅にお住まいだった方や津波被災地域にお住まいの
おおむね60歳以上の方々と毎月1回合唱の練習をしています。
2013年10月から続いている活動です。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)

朝晩の冷え込みと日中の残暑との気温差がはげしいこの頃です。夏と秋の境い目なのでしょうね。合唱講師のソプラノ齋藤翠さんはアンティークのアロハシャツを、ピアノ目々澤亜紀さんは秋めいたからし色の服を着ていました。ここにも夏と秋がありました。
翠さんは先週、オペラ公演を終えたばかりですが、その舞台を観たメンバーが「いまも余韻に浸ってます~」とうっとり話していました。芸術はやはり、心の栄養になるんですね。

いつものウォーミングアップに加えて、新しい呼吸のエクササイズを試しました。一瞬で背中側にも空気を入れるように息を吸い、10秒間止めながら、指で空中に自分の名前を書くというものです。
合唱団メンバーは初め、頭の上に「?」が浮かべてやっていましたが、翠さんが「文字を書くということで意識が逸れて、体の緊張が取れるんです」と説明すると、「ああ、たしかに!」と納得した様子。
「呼吸をきちんとしなければ!」と考えてしまうと、胸から肩、首までガチガチになりがちです。名前を書くという別の負荷が課された途端に、ふっと力みが消えていました。人間の身体って面白いものですね。

それぞれの課題曲について、だんだんと歌いなれてきた感じは出てきていますが、歌い始めの第一音を揃えること、イ段の言葉も前歯が見えるくらいに口を開けること、そして、お互いの声を聴き合うこと等々、細かく指導がありました。自分のクセで気持ち良く歌ってしまうだけでは、合唱としての表現になりませんから、少しずつでもよいので精度を上げていきたいですね。

最後に、壁面の鏡を使って、自分の姿勢や表情を観察しながら歌いました。聴く人に届いてこその合唱です。見せ方と聞かせ方の技術もいずれ身に着けていきたいものですね。
先日、宮城野区文化センターから「来年3月に行なう震災復興事業で歌ってほしい」との依頼がありました。メンバー一同、本番に向けて気持ちを新たに練習に励んでいました。さあ、がんばりましょう!