お知らせ
田子西第二「歌う♪こだまの会」10月
- 2022.10.19
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復興センターは仙台市宮城野区にある田子西第二市営住宅〈田子西こだま町内会〉と協働し、
2018年10月から「歌う♪こだまの会」を開催しています。すっかり秋が深まってきた今日この頃。急に寒くなって、気温の変化に体がついていかないことも多々あります。そんなときこそ元気に歌って体を温めて、健康づくりに取り組んでいきましょう!今日も集会所の壁には素敵な手芸作品が飾られていました。音楽リーダーを務めるソプラノ笹氣真歩さん、ピアノ大岩千華さんのお二人も「いつも楽しみにしてるんですよ」と笑顔で鑑賞していました。まずはウォーミングアップ。真歩さんが歌う【♪出~た 出~た 月が~】のメロディに合わせて両腕をぐるぐる回したり、色んな母音で発声練習をしたりしました。さらに首の後ろにあるくぼんだ部分、その名も「盆の窪(ぼんのくぼ)」をマッサージすると歌が上手になると教えてもらいました!ぜひ念入りに揉んで、よい声で歌いたいものです。
今日のプログラムは秋の歌をたっぷりと堪能できる内容になっています。まず最初にみんなで歌ったのは『虫の声』。一時はうるさいくらいだった虫の鳴き声も、近ごろはだいぶ小さくなってきたでしょうか。この虫の鳴き声を「声」として認識しているのは日本人とポリネシア人だけだということを、真歩さんが教えてくれました。日本人とポリネシア人は虫の鳴く音を「言語」として左脳で処理し、それ以外の人々は単なる音として右脳で処理しているのだとか。その場合、虫の鳴く音は機械の音と同じような雑音としか認識されないので、それを虫の「声」として愛でる文化もないそうです。「虫の声を聴いて風流だな~と感じられる日本人に生まれて、本当に良かったなぁと思います」という真歩さんの言葉に、みなさん頷いていました。
次に歌ったのも秋にぴったりの曲です。『まっかな秋』では、それぞれ赤やオレンジのスカーフを左右に振りながら歌いました。みなさんの正面に立っている真歩さんが「私の場所から見てると、すっごく綺麗ですよ~!」と拍手していました。この曲では知っている曲のメロディを【思い出す】、実際に口を動かして【歌う】、さらにスカーフを振るために【腕を動かす】と、脳が一度に3つのことをしているので、良い脳トレにもなりますね。歌うのに夢中になって「あ、腕振るの忘れてた」と笑っていた方もいました。
さらに『紅葉』では、歌に合わせて疑似もみじ狩り体験を。3グループに分かれて、これまた秋色の布を広げた上に紅葉の葉っぱを乗せ、それが落ちないように気をつけながら布を揺らしたり、波打たせたりしました。布の上でうまく紅葉を遊ばせているグループもいれば、何度も落としては拾い、を繰り返すグループもありましたが、みなさんとても楽しんで参加してくれました。
ミニコンサートでは、まず『旅愁』と『ちいさい秋みつけた』を歌ってくれました。どちらも秋らしい、しっとりとした雰囲気の曲ですね。実は千華さん、小さい頃は『ちいさい秋みつけた』という曲がちょっと苦手だったのだそう。初めて聴いたのがNHKの「みんなのうた」だったそうですが、影絵を使ったアニメーションがすごく寂しく感じたのが苦手になった原因なんだとか。「だから明るいメロディにして遊んでいました」と言いながら、原曲と調を変えて陽気な雰囲気になったメロディを実際に弾いてみてくれました。ちいさい秋だ、と分かるメロディなのに雰囲気がまるで違っていて、みなさん不思議そうに聴いていました。今日は真歩さんの感傷的になりすぎない歌声のおかげで、千華さんも寂しくならずに演奏できたそうです。同じ曲でもその時々で色んな感じ方ができるものですね。
ピアノのソロ演奏では、ウォーミングアップで『月』が登場したことを受けてドビュッシーの『月の光』を演奏してくれました。虫の声とは違い、月の美しさは古今東西共通の認識があるからでしょう。1800年代のフランス人が作曲したこの曲を聴いて、2000年代の日本に住んでいる私たちにも、キラキラと降り注ぐ月光や、その月光に浮かび上がる夜のしじまが容易にイメージできます。千華さんが繊細に奏でる音楽を、みなさんうっとりとした様子で聴いていました。
再び真歩さんも演奏に加わって、最後は『夜明けのうた』と『夕焼け小焼け』で会を締めくくり・・・と思いきや、お客さんから「もう一曲いいですか?」と声がかかりました。それではみんなでもう1曲、ということで、紅葉狩りに一生懸命であまり歌えていなかった『紅葉』を歌いました。童心に返ったような、伸びやかな歌声が秋の午後に響いていました。「歌う♪こだまの会」の次回開催日はなんと2月21日!「かなり早いですが、よいお年を~」と手を振る真歩さんに、大きな笑い声が上がります。次回はちょっと遅めのバレンタインということで、色んな愛の歌を歌うつもりだとか。みなさん是非また歌いにきてくださいね!