お知らせ

田子西「うたカフェ♪」_10月

2022.10.21

仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅ではk
町内会主催のサークル活動として、この住宅とその周辺にお住まいの方々の
交流の場「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌を楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、音楽リーダーをコーディネートしています。
(仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」)

今日の仙台もよく晴れていて、日向にいるとちょっと暑いくらいです。日中と朝晩の寒暖差が大きくなるこの時期は体調を崩しやすいので、うたカフェで楽しく健康づくりをしていきましょう。音楽リーダーを務めるのは仙台オペラ協会ソプラノ松本康子さんと岩瀬りゅう子さん、ピアノの富樫範子さん。喫茶提供は「喫茶ひこ」のマスター西垣信彦さんです。

さて、岩瀬さんは先日まで出演舞台の練習があったため、今日が二カ月ぶりの参加となりました。前回のうたカフェで岩瀬さんへの思いを込めて『帰ってこいよ』を熱唱した松本さんと田子西のみなさんは「お帰りなさい」と嬉しそうな様子。今日のうたカフェのテーマは「3拍子」とのことで、まずはお二人がウェルカムソングとしてブラームスの『円舞曲』を歌ってくれました。
3拍子というとこのような西洋の音楽のほうがイメージしやすいですが、もちろん日本にも3拍子の曲はたくさんあります。最初にみんなで歌ったのは『山のワルツ』。♪ロン リムリミ ロン ラムラム ロン リムリム ロン という歌詞に覚えのある方もいるでしょうか。ちなみに本日の参加者はこの曲を知らない人がほとんどでしたが、同じメロディを繰り返すだけなのですぐに歌えるようになっていました。初めての曲を一生懸命歌う参加者に、「3拍子の曲はワルツやマズルカなど、踊るための曲が多いので、踊るように体を揺らして歌うと歌いやすいですよ」と松本さん。言われた通りに体を揺らしながら歌ってみると、三拍子のゆったりとしたリズムを感じながら歌うことが出来ました。
次に歌ったのは唱歌『赤とんぼ』。『山のワルツ』と違って今度は全員がよく知っている曲でしたが、これも3拍子の曲だと知っている人は少なかったようで、松本さんに教えてもらって「へぇ~」と声が上がりました。『赤とんぼ』は松本さんが好きな曲だそうで、うたカフェでも何度か歌ったことがあるます。そのたびにより上手に歌えるアドバイスをもらっているのですが、今日は新しく拍子に注目したアドバイスがありました。曰く「3拍子の曲は、1拍目を意識して歌うとその後もスムーズに歌えるんです」とのこと。例えば歌い出しの【夕やけ小やけの】では、小焼 ”け” で急に音が上がります。この”け”は2拍目になるのですが、ここをピンポイントでしっかり歌おうとすると変な力が入ってしまうので、むしろ1拍目の”こや”けのほうを大事に歌いましょう、ということです。実際に1拍目を意識して歌ってみると、何となく歌っていたときよりスムーズに高い音へとつなげることができました。その違いは歴然で、その後通して歌った『赤とんぼ』は、そばで聴いていたスタッフが感動するくらい素晴しい歌声でした。
お次は日本の曲からちょっと離れて、映画「ティファニーで朝食を」から『ムーンリバー』を歌いました。今回は日本語の歌詞で歌いましたが、ちょっと言葉の入れ込みが難しい部分があって大変だったかもしれませんね。やはり原語のほうがしっくりくるということで、特別に岩瀬さんに英語で歌っていただきました。会場についてから松本さんに英語での歌唱をお願いされたそうで、「ちょっと怪しいところもありますが・・・」とのことでしたが、すてきな歌声にみなさん聴き入っていました。

ミニコンサートのプログラムもテーマに沿って選曲してきてくれました。
自分にとってのワルツとは、と考えた富樫さんが選んだのは、ディズニー映画「眠れる森の美女」の『いつか夢で』。この曲はチャイコフスキーのバレエ音楽の『ワルツ』を元にしており、富樫さんが初めてワルツを感じた曲だったそうです。3拍子の優雅な調べが心地いいロマンティックな一曲を、みんなうっとりとした様子で聴いていました。
松本さんが選んだ曲は、同名の映画の主題歌としてヒットした『ラモーナ』です。松本さんが歌う愛の歌は本当にすばらしいもので、今日も日本語と原語で情熱的な愛を歌ってくれました。最後の音が甘い余韻を残して消えると、参加者からは大きな拍手が沸きました。
岩瀬さんはプッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」より『ムゼッタのワルツ』。とても華やかな曲で、聴いていると心が豊かになるようです。歌い終わると、岩瀬さんはつい先日小学校で行った公演でこの曲を歌ったときのことをお話してくれました。コンサート終演後に生徒さんが感想を発表してくれたのですが、その中の歌が大好きだという女の子が「私もオペラを歌う人になりたい、待っていてください」と言ってくれたのだとか。岩瀬さんはこの言葉が本当に嬉しくて、「今日まで歌ってきてよかった」と心から思ったそうです。生の音楽が子どもたちの瑞々しい感性にとても大きな影響を与えるんだな、ということを感じたお話でした。ついでにその小学校で大変盛り上がったという『幸せなら手をたたこう』の手遊びにも挑戦。田子西でもみんなでワイワイ楽しみました。

 

 

最後は「別れるのは辛いけど・・・」と言いつつ『星影のワルツ』を歌ってエンディングとしました。歌はお別れしておしまいでしたが、うたカフェは来月も開催します!次回もみなさまのお越しをお待ちしています。