お知らせ
田子西「うたカフェ♪」_1月
- 2023.1.20
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仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅ではk
町内会主催のサークル活動として、この住宅とその周辺にお住まいの方々の
交流の場「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌を楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、音楽リーダーをコーディネートしています。
(仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」)2023年最初のうたカフェは、穏やかな冬晴れの中での開催となりました。冬の貴重な晴れ間、色々と用事を済ませにお出かけの方もいらっしゃるかなと思っていましたが、続々と参加者が集まってあっという間に満席に。音楽リーダーを務める仙台オペラ協会のソプラノ松本康子さん、岩瀬りゅう子さん、伴奏の富樫範子さんと「今年もよろしく」の挨拶を済ませたところで、今日も楽しく歌っていきましょう。今年は卯年ということで、今日のプログラムは<う>から始まる曲特集です。
前半はうさぎが登場する曲を3曲歌いました。♪うさぎ うさぎ 何見てはねる、で始まる『うさぎ』は、もとは『姫松』というお琴の曲のメロディがわらべ歌として伝わったものなんだとか。一方、<う>の曲を集めるにあたって松本さんが最初に思いついたのは三味線の小唄『梅は咲いたか』だったそうです。プログラムに入れたかったけれど、三味線用の楽譜しか見つからず諦めたんだとか。せっかくなのでと松本さんがアカペラで歌ってくれ、その小粋な歌いっぷりに拍手喝采でした。
2曲目の『うさぎとかめ』では、うさぎのパートはテンポ良く、かめのパートはゆっくり歌ったり、うさぎが寝坊したところはすごく急いで歌ったりと、キャラクターや物語の展開に合わせてテンポを変えて楽しく歌いました。続く『兎のダンス』も【ラッタラッタ】【ぴょっこぴょっこ】といった歌詞や跳ねるような軽快なメロディが楽しい曲・・・のはずが、歌い終わるなり松本さんが「みなさんの表情がすごく深刻で、楽しそうじゃないです」と嘆きました。参加者も自覚があったようで確かにね~と大笑い。表情はもちろん、体も動かして歌ってみてくださいとアドバイスをもらってもう一度歌ってみると、さっきとは声の明るさが全然違いました!うさぎシリーズを終えたら、次は<う>から始まる曲シリーズへ。まずは『ウナ・セラ・ディ東京』を歌います。元は『東京たそがれ』というタイトルがつけられていましたが、イタリアの著名な歌手・ミルバが来日した際に歌ったことでブームになったことを受け、イタリア語でたそがれを意味する『ウナ・セラ・ディ東京』というタイトルに変更されたそうです。そうしたことを意識してか、歌唱を担当したザ・ピーナッツは東京を「トウキオ」という発音で歌っていました。その発音を真似て歌ってみると何だかすごくそれっぽい?上手では?と感じられて、みなさん思わず笑みを浮かべていました。
最後は『上を向いて歩こう』で明るく締めくくりました。「上を向いて歩こうのところ、♪あ~るこう うぉううぉううぉうと歌うとそれっぽく聞こえますよ」と説明した岩瀬さん、恥ずかしくない人はやってみてくださいと付け加えたのでどっと笑いが起きました。坂本九さんの特徴的な歌声はなかなか真似できませんが、思い切りやってみるといい感じで歌えるのかもしれません。音楽リーダーのソロ演奏でも、<う>で始まる曲やうさぎに関する曲が登場しました。
まずは急遽ピアノソロを頼まれたという富樫さん。季節外れの曲しか思い浮かばなかったりと選曲に苦労したそうですが、映画「崖の上のポニョ」の主題歌『海のおかあさん』を昨晩思いつき、朝になって超特急で楽譜を探してきたんだとか。いつも我が子を案じ、慈しんでくれるお母さん、そして母なる海の大きくて温かい愛に包まれるような、とても優しい旋律が心に残りました。松本さんはメキシコ民謡『美しい空』で初めてのスペイン語に挑戦!メキシコらしい明るく大らかなメロディは、聴いていて陽気な気持ちになれますね。岩瀬さんはカニとうさぎが登場する『あわて床屋』を歌ってくれました。あるご婦人は「懐かしい~」とニコニコ顔。物語性のある曲で、くり返し登場する♪ちょっきん、ちょっきん、ちょっきんな というフレーズも、場面に合わせて歌い方が全然違っていました。
今年最初のうたカフェも、笑顔あふれる楽しいひとときとなりました。来週は大寒波がやってくるそうなので、温かいお部屋で歌を楽しみながら過ごすのもいいのではないでしょうか。どうぞ体調には気をつけて、また来月お会いしましょう!