お知らせ

みやぎの「花は咲く」合唱団_6月

2023.6.30

≪みやぎの「花は咲く」合唱団≫
かつて宮城野区の仮設住宅にお住まいだった方や津波被災地域にお住まいの
おおむね60歳以上の方々と毎月1回合唱の練習をしています。
2013年10月から続いている活動です。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)

朝から雨が降ったりやんだりの蒸し暑くじめじめする日、元気に歌ってすっきりしたいところです。講師のソプラノ齋藤翠さん(仙台オペラ協会)は埼玉から真夏の装いでやってきました。「関東は体温超えなので、仙台に来るとホッとします」とのこと。ピアノ目々澤亜紀さんは「じめじめに負けないように…」と、甘い飲み物でエネルギーチャージしていました。

脇腹のストレッチや脚回し40回など準備体操で体を温め、童謡『てるてる坊主』を歌ってのどを温めました。発声練習では「リップトリルをやってみましょう」と、唇を高速でぶるぶると震わせて声を出すことをやりました。ポイントは息を流すこと、細かく滑らかに「ぷるるるる…」と続くのが理想です。しかし、あちこちから「ぷる、る、ぷるる…」とエンストしているような音や、「ぶぶぶ…」と軽やかでない音が聞こえてきます。やってみるとけっこう難しいですね。唇まわりの筋肉がほぐれて歌いやすくなるのと、吐く息の勢いがつくので、「自宅でもやってみてくださいね」と翠さんが言いました。
さて、課題曲の練習に入りますと、『紅葉』の歌い出しですぐに止められました。第一声の準備が整っていなかったのが原因です。「歌い出しの2小節前には、口を開けて息を吸って、準備に入りましょう」とのアドバイスがありました。イメージは、スケート選手がリンクに出ていくときの姿だそうです。滑らかに、華やかに、ある種の力強さをもって、第一音を出すのが目標です。「準備が大事」と重々わかってるはずなのに、うっかり忘れがちなポイントですね。

忘れがちと言えば、イ段の発音をするときに唇を横に引っぱってしまうのですが、口は縦に開けるのが鉄則でしたね。「前歯のあいだに縦に指2本分入るぐらいに開けるんでしたよね」と注意がありました。いろいろと重力に負けてしまいがちな夏です。
ここで、本日の新ワザ登場です。「親指で前歯を押し上げて、頭蓋骨をちょっと開けるつもりになって発声してみてください」と翠さんがやってみせると、みなさんマスクの上から指で前歯を押して試していました。なるほど、たしかに響きが明るくなるように聞こえました。この感覚をキープしたまま、『紅葉』のBメロ部分「松を彩る楓や蔦は」の一節を歌いました。最初の「ま」の音で赤や黄色の鮮やかな色彩を見せるために「頭蓋骨を上げて、響きを明るく!光が差すように!」と指揮者からの要求がありました。

このほかにも「音階を下りるときは気持ちを上げていく」「一音一音の母音を頭蓋骨の中でくるくる回すように響かせる」などなど、さまざまなコツが伝授されましたが、ひとまず今日はこの辺で。焦らずゆっくり身につけていきましょう。みなさん、お疲れさまでした!