お知らせ

田子西「うたカフェ♪」_6月

2023.6.23

仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅では
町内会主催のサークル活動として、この住宅とその周辺にお住まいの方々の
交流の場「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌を楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、音楽リーダーをコーディネートしています。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)

今日の午後は雨の予報でしたが、明るい曇り空のまま持ちこたえてくれそうです。ある参加者が「天気が悪いと外に出たくないんだよね」と言って、今日は一番乗りでやってきました。ぎりぎりセーフな雲行きですね。ともかく、ご来場ありがとうございます!
音楽リーダーのソプラノ松本康子さんと岩瀬りゅう子さん(仙台オペラ協会)とピアノ富樫範子さんはいつものように楽しいプログラムを用意してきましたよ。ジューンブライドにちなんで南沙織の『雨』、吉田拓郎『結婚しようよ』、懐メロ『ここに幸あり』が本日の課題曲です。肩回りのストレッチや発声練習をして、さっそく歌ってみました。
「南沙織の『十七歳』は知ってるけど、この歌は知らないわ」と言っていた方がいましたが、伴奏が始まると「あ、これね!」と、実は知っていたようです。むしろ原曲のイタリア歌謡『ラ・ピオッジャ』のほうが有名かもしれません。ビートの効いたイントロが印象的な曲です。構成がちょっとトリッキーな歌で、松本さんいわく「歌の終わりが終わってない感じがしますが、こういうときは伸ばすと終われます」とフシギなアドバイスをしました。「涙の雨を消してゆくでしょ~~~う」と、みなさんオペラ歌手ばりに、各自息が切れるところまで伸ばしてみていました。

『結婚しようよ』は男性視点の歌なので、岩瀬さんが「男性の方、どうぞ前に出て歌ってください」と誘うと、町内会長さんも喫茶ひこのマスター西垣さんも堂々と引き受けてくださいました。まずは全員で歌って、いわゆるBメロ部分から男性だけで歌います。ご婦人方が見守る中、少数精鋭トリオはがんばって歌っていました。あとで西垣さんは「恥ずかしがってここで拒んでは男がすたると思ってさ」と心境を語っていました。ご尽力かたじけないです!

替わって、『ここに幸ありは』女性視点の歌です。松本さんは「さあ、たっぷり歌ってくださいね」と女性陣を励ましました。「この『君を頼りぃぃぃに~』のところは木の葉がひらひら舞い散るように、声を波打たせましょう」とのアドバイスを受け、みなさんチャレンジしていました。

コーヒータイムでは富樫さんが朝の連続ドラマ小説のテーマ曲をピアノソロで演奏し、花を添えました。リハーサルの際、急に「今日弾いてね」と振られたらしいのですが、初見でみごと弾きこなしていました。さすがですね。
終盤のミニコンサートでは演奏家全員による三重唱と松本さんの独唱が披露され、大きな拍手が沸きました。松本さんは「来月は○○○を歌うので、予習して来てください」と宿題を出しました。みなさん「はーい!」と朗らかに答えていました。
「今日も楽しかったです!」とにこにこしながら参加者が帰っていく姿に、こちらも嬉しく、胸が温かくなるのでした。