お知らせ

松ケ浜「音楽で心をつなぐコンサート」

2023.9.26

七ヶ浜町社会福祉協議会からの依頼で、今年度も町内5地区に復興コンサートを届けています。今日は松ケ浜地区避難所にうかがいました。手入れの行き届いた花壇では百日草が満開です。ほどよい曇り空と過ごしやすい気温でほっとしました。

今日の出演はクラシックギター奏者の佐藤正隆さんと小関佳宏さんです。お客様にもっと近いところで演奏したいと、会場のステージを使わず、窓辺で演奏することにしました。いつもと雰囲気が変わって好い感じですね。内装に木を多用しているためでしょうか、ギターの音が心地良く響きます。およそ20名の参加者が集まり、開演となりました。
『川の流れのように』から始まり、日本の歌謡曲を主とした構成で進みます。石原裕次郎『北の旅人』など、シニアにはおなじみの曲もアレンジによってこんなに表情が違うものかと新鮮な感覚で聴いていらっしゃる様子です。
佐藤弘和『遠い谷への旅』では、ボディを叩く音、金属的な音、鐘のような音などなど、ギターとはこんなに色とりどりの音が出せるものなのかという驚きもありました。目の前で見ていても不思議なくらいです。

ギターと言えばこの曲!とリクエストもあったルビーラ『愛のロマンス』は、日本では『禁じられた遊び』として知られていますが、「これは右手の練習曲として作られたと言われています。主旋律を担当する小関さんの右手に注目して聴いてみてください」と正隆さんが解説しました。演奏家の指の繊細な動きにみなさんじーっと注目していました。この近さだからこその醍醐味ですね。
南米のギター曲も紹介したいとのことで、カナロ『黄金の心』が披露されました。小関さんが「黄金の心とは、母心のことだそうです」と説明しました。母心と聞いてみなさんはどんな色をイメージするでしょう。アルゼンチンタンゴを思わせる哀愁を含みながらも切れの良い三拍子の曲で、二人の呼吸がビシッと決まったラストに、わっと拍手が沸きました。

お二人の見事な演奏に加えて、気取らないトークがみなさんをなごませて、終始温かな空気が会場を包みます。ギターの音色もまた、みなさんを包み込むようにして温かく響いているのでした。
最後に演奏されたのは中島みゆき『糸』です。「今日のコンサートのタイトルのように、音楽が皆さんとのご縁や絆をつなぎますように、と願いをこめて選びました」と小関さんが語ると、多くの方がうなずいていました。

終演後、お客さんからいただいたメッセージにはこんなことが書いてありました。
「初めてのギターコンサートを聞き、とても心を動かされました。言葉に表せないくらい良かったです」
「間近で見て、聴いて、感動しました。指と手が魔法のようです」
「2台のギターだけとは思えない演奏で、私の体の中にひびきました」
また、出口では或る男性が演奏家に駆け寄り、熱心に何か話しかけていました。いつもより男性が多かったのはやはりギターのなせる技なのでしょう。
秋の初めにふさわしい、ゆったりと穏やかなひとときをご一緒できたように思います。ありがとうございました。