お知らせ

泉中央南「歌声サロン」_9月

2024.9.9

仙台市泉区の復興公営住宅で2015年10月から「歌声サロン」を始めました。
復興センターでは音楽リーダーをコーディネートし、
泉中央南町内会と協働してこのサロンを開催しています。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)

9月になり、朝晩はだいぶ過ごしやすくなりました。秋になると、あちこちで芸術活動が活発になりますね。歌声サロンもさらに活発化していきましょう!
音楽リーダーのソプラノ佐藤瑛利子さんとピアノ原田満梨奈さんは「みなさんからのリクエストで勉強になります!」と、幅広い選曲で楽しいプログラムを用意してきましたよ。
ウォーミングアップでは、丁寧に顔まわりのマッサージをしました。
耳や顎関節、あごの下、鎖骨のあたりまでをやさしくさすります。血流が良くなって、ほんのり温かくなり、視界が明るく開けたように感じました。夏の疲れが出る頃ですので、身体のメンテナンスにもよさそうです。
発声練習では大きく口を開け、眉を上げ、目をみひらいて「わっはっはー」とどんどんクレシェンドしてゆくワークを行ないました。笑いを意識すると自然と腹式呼吸になります。おなかで呼吸を支え、声を大きくしてゆくだけで、けっこう体力を消費します。

続いて、童謡『とんぼのめがね』に合わせて簡単な振付で踊ってみました。
その振りにはさりげなく肩胛骨を回したり引き寄せたりするエクササイズが織り込まれていて、さあ、歌う準備が整いました。
昭和のヒット曲『昔の名前で出ています』はみなさんお好きな様子でした。音楽リーダーのお二人は「急に拍子が変わるところが難しい…」「昭和特有なのだろうか」とリハーサルで研究していました。
改めて歌詞を読むと、なかなか重たい恋愛話で、瑛利子さんが「情念と怨念をこめて歌ってください」と言い、みなさんは苦笑。「声を伸ばすところでクレシェンドしていきましょう」とアドバイスがありました。尻すぼみでなく、むしろ張ってゆくと、声が朗々と響いてちょっと小林旭ふうに聞こえました。
今日、9月9日は温泉の日だそうで、ザ・ドリフターズでおなじみ『いい湯だな』を歌いました。「いい湯だな」のあとの「アハハン」部分で、さっきの発声練習「わっはっはー」を応用するとのことでした。高い音で「声が出ないかも…」と思った時こそ、腹の支えをしっかりと、目を開き、眉を上げ、笑顔で歌うとよいのだそうです。
後半のミニコンサートは秋にちなんだプログラムでした。まず瑛利子さんが團伊玖磨作曲の歌曲「ひぐらし」を披露しました。シンプルな言葉の背景に、ひぐらしの声が寂しくこだまして、ピアノの旋律の中に移りゆく季節の風景が描かれます。心がしんとして空気が澄むような、奥行きあるすてきな歌でした。
満梨奈さんはジャズアレンジの『赤とんぼ』を披露しました。流麗でありつつ寡黙なところもあり、秋の夜長にグラスを傾けながら、ゆっくり聴いてみたい演奏です。
中学校で教えている瑛利子さんが「生徒の半分は『赤とんぼ』や『故郷』を知らないんですよ」と言い、みなさんは「ええーっ!」と驚いていました。
続いて、童謡のアレンジ作品としてもう一曲、『月の沙漠』を源田俊一郎編曲でお楽しみいただきました。金と銀との鞍のせて、さまざまなイメージが交錯する華麗な伴奏が構築する世界を通り抜け、やがては月の世界へと飛んで行ったかのような、壮大な余韻がありました。
アンコールは、一変して田端義夫『大利根月夜』です。先月に続き、またしてもみなさん意表を突かれて
「えええ!?」とうれしい驚きを見せていました。瑛利子さんの伸びやかな声がこの歌とけっこう相性がいいのと、満梨奈さんがノリノリでピアノを弾きこなすので、借り物じゃなく、ご自分たちの歌として表現されているなあと思われました。
今日もたのしく歌って体操して、盛り上がりましたね、みなさんお疲れさまでした!