お知らせ

田子西「うたカフェ♪」_9月

2024.9.20

仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅では
町内会主催のサークル活動として、この住宅とその周辺にお住まいの方々の
交流の場「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌を楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、音楽リーダーをコーディネートしています。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)

朝から雨模様でしたが、うたカフェが始まる直前に雨がやみ、雲間から日が差すほどになりました。周辺地域からの参加者がのんびり歩いて来るのが見えます。雨だと出足に影響するので、助かりました。
さて、音楽リーダーの仙台オペラ協会ソプラノ松本康子さんと岩瀬りゅう子さん、ピアノ富樫範子さんは、今回、お酒にまつわるプログラムを用意してきました。秋にはお酒が似合うイメージもありますね。
松本さんいわく、「お酒の歌は悩ましいとか色っぽいものか、宴会的な賑やかなものに二分されるように思います」とのことで、色っぽい曲代表として安全地帯『ワインレッドの心』と石川さゆり『ウィスキーが、お好きでしょ』を歌いました。「ここは思いをたたみかけるように!」「ため息まじりで…」などのアドバイスがありました。

宴会的な歌の代表は、シュトラウス二世の歌劇「こうもり」から『シャンパンの唄』、そしてバラクーダー『日本全国酒飲み音頭』でした。
みんなで「乾杯!乾杯!乾杯!」をジェスチャーとともに歌い上げ、また、1月から12月までとにかく「酒が飲めるぞ~!」ということで、景気よく盛り上がりました。

喫茶ひこマスター西垣さんの淹れたコーヒーで一服したあと、
ミニコンサートとして松本さんがビゼーの歌劇「カルメン」から『セギディーリヤ』を歌いました。スペインの酒マンサーニャが歌詞に出てきます。
「マンサーニャを飲むのよ」と歌いながらカルメンがホセを誘惑する場面なのだそうです。松本さんの情熱溢れる歌声に、さもありなんとその場面が目に浮かんできます。

岩瀬さんは、つい先日公演を終えた歌劇「こうもり」から『客を招くのは私の趣味で』を披露しました。岩瀬さんが演じたオルロフスキー公爵は、財力に物を言わせて盛大な宴を開き、お客に「ここでは好きに過ごしなさい」と呼びかける歌です。
酔っぱらったときのしゃっくりのように声を急にしゃくりあげる部分があり、そのタイミングを狙って「わっ!」と腕をあげるゲームも試しました。
お二人のオペラの舞台のような歌唱に魅了され、しらふながらみなさんほろ酔い気分の上機嫌な様子となりました。