お知らせ
福島「ホッとコンサート」へ
- 2024.9.25
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福島市社会福祉協議会が毎月1回主催する「ホッとサロン てとて」は、福島第一原子力発電所の事故により県沿岸部から福島市内に避難・移住した方々を対象としたサロン活動です。避難が長期にわたり精神的にも体力的にも辛さを抱える方が、ひと時少しでもホッとできるように…との願いを込めて「ホッとコンサート」が年に1度開催されています。
今回は福島市在住の音楽家、井上実畝さんと小林直央さんのユニットである「笛木琴」にご出演いただきました。お二人はこのサロンに数回登場していますので、参加者のみなさんとはもうすっかりおなじみです。澄んだフルートの音色と温かなマリンバの響きに加え、お二人のトークも好評で、客席から「楽しみに待ってたよ!」という雰囲気が伝わってきます。今回は事前にリクエスト曲を募ってプログラムを構成していただきました。速弾きの『スーパーカリフラジスティックエクスピアリドーシャス』に乗って、みなさんはボディーパーカッションを楽しみました。また、『情熱大陸』では熱い手拍子で応援し、古関裕而の歌を口ずさみ、美空ひばりメドレーでは「いいねー!待ってました!」と、客席から声が飛んできました。参加者と演奏家がともに場を創っている様子がありました。
終演後、参加者からのメッセージカードには「今日は“あっ”という間にすぎました。悲しい音、やさしい音、こころ安らかな音。昔のことが思い出されて、とてもいろいろ書きたいですが、体に気をつけて‼」ほか、たくさんの感謝の言葉が書かれていました。
スタッフさんによると、参加者の高齢化が進み、運転免許を返納する方も多く、だんだんと足が遠のいてしまうのが悩みの種なのだそうです。これからも「必要とされる場所に音楽を届けていきたい」と願いつつも、超えるべき課題や問題が山積している現状があります。震災から13年という時間を感じる昨今です。