お知らせ
泉中央南「歌声サロン」_11月
- 2024.11.18
-
仙台市泉区の復興公営住宅で2015年10月から「歌声サロン」を始めました。
復興センターでは音楽リーダーをコーディネートし、
泉中央南町内会と協働してこのサロンを開催しています。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)「今年は暖かいねえ」なんてのんきに過ごしていたところ、ふるえあがるほどの急な寒さがやってきました。会場近くの七北田川では鈍色の空の下に一羽のオオハクチョウがいて、冬の到来を感じました。
さて、今日も音楽リーダーを務めるのはソプラノ佐藤瑛利子さんとピアノ原田満梨奈さんです。寒さで縮こまった身体をほぐすため、入念にウォーミングアップをしました。
鎖骨まわりや顔の筋肉をやさしくさすったり、足踏みしながら右の肘と左の膝をくっつける動きや、胴体をひねって後ろを向く動きなどを行ないました。お隣りの人と目が合って「あら、こんにちは」とあちこちで笑い声が上がりました。さて、今日の1曲目は童謡の『たきび』です。みなさんはゆったりと体を揺らして、懐かしそうに歌っていました。今日の寒さにぴったりの、心温まる歌です。この情景を思うと、焚き火をすることが難しくなっている昨今は、ちょっと寂しい感じもしますね。
2曲目は村田英雄の大ヒット曲『王将』でした。昨日11月17日は将棋の日なのだそうです。
瑛利子さんは小学生の頃に詰め将棋に凝って、お姉さんに勝負を挑んで嫌がられたという話をしました。
満梨奈さんは「釜石のおじいちゃんがよくカラオケで歌っていたんです!」と語り、思い出の一曲になっているとのことでした。意外にも、クラシック音楽家のお二人それぞれに繋がっている歌なんですね。
「演歌ですし、力強く歌いましょう」と瑛利子さんはこぶしを握るよう促して、みなさんは「ここぞ!」というところでぐっ!と力を込めて歌っていました。気持ちも入って、歌にメリハリがついたように聞こえました。3曲目は坂本九『明日があるさ』で、「裏拍子を取る」ことにチャレンジしました。この場合、ずんちゃ、ずんちゃ、というリズムの「ちゃ」のときにたたくのが正解です。
ひざで拍子を打ちながら歌ううちにみんなバラバラになってきて、表も裏も何でもアリな状態になっちゃいましたが、ともかく楽しそうだったので結果オーライです。ここでは「音楽をたのしむ」ことがいちばんですから。後半のミニコンサートで、瑛利子さんは「だいぶ前にリクエストいただいていたのですが、難しい歌なのでずっと逃げていたのですけど…」と、美空ひばりの『みだれ髪』を歌いました。叶わぬ恋に身も細る女のせつない気持ちが伝わってくるようで、果敢な挑戦に大きな拍手が贈られました。
満梨奈さんは「寒さを吹き飛ばすような曲を…」と、ブラームス『ハンガリー舞曲第5番』を演奏しました。
みなさんはタイトルを聞いた時はきょとんとしていましたが、始まったとたん「ああ、これね!」と納得した様子で、ノリノリで聴き始めました。
曲の強弱や緩急のメリハリがくっきりして、ピアノのいろいろな表情が楽しめます。小さな音のときは「次の大きな音はいつ来るか」と固唾を飲んで見守る様子があり、おなじみの力強いメロディのときには椅子から跳ね上がらんばかりになってリズムを取っている方がいました。ピアノを聴くほうも自然と全身運動になっていましたね。
このほかにも歌劇「カルメン」からミカエラのアリア『不安にさせるものなどない』や、氷川きよし『きよしのズンドコ節』も演奏され、古今東西を問わない歌の数々にうっとりしたり、掛け声で応援したり、盛況のうちにお開きとなりました。
だいぶ体が温まったかと思います。どうぞ風邪など召しませんよう、また来月よろしくお願いします!