お知らせ
JR南小泉アパート仮設住宅へ
- 2014.2.24
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今日は仙台市若林区にあるJR南小泉アパート仮設住宅集会所へうかがいました。こちらの仮設住宅の自治会婦人部「なでしこ会」では毎月1回サロンを開催し、体操をしたりお茶を飲みながらのおしゃべりをして住民の交流を図っています。本日の「サロンなでしこ復興コンサート」には、メゾソプラノ歌手の後藤優子さんとクラシックギタリスト小関佳宏さんのデュオが出演しました。
プレハブの集会所には50代から80代までの約15名の方が集まりました。日差しが柔らかに差し込む会場に後藤さんが鮮やかなピンクのドレスで登場すると、ぱっ、と春の明るさがいっそう増したようでした。
オープニング曲「リンゴの唄」に続き、ザ・ピーナッツ、越路吹雪、美空ひばりと昭和の懐かしい歌謡曲を中心にしたプログラムで、最初緊張していた様子のみなさんも一緒に口ずさんだり拍子を取ったりしながらすっかり和んで楽しんでいました。ギターの名曲「禁じられた遊び」は目を閉じてしみじみと聴き入る方がありました。ラストの「誰も寝てはならぬ」ではプレハブを震わすほどの歌声で、大きな拍手が沸きました。終演後のお茶飲み会には演奏者も参加しました。
「わたしたち越路吹雪はぴったりの世代だから、もううっとりしちゃった」「ほんと良い声だねえ」と感想が飛び交う中、ふとした瞬間に
「10人いた友達のうち8人が流されちゃった」
「東京で空襲受けたのが3月10日、今度の地震が3月11日でしょ?だから3月っていやでねえ」
「せっかく建てた家も集めた着物も全部流された」
とおっしゃる方がありました。そのお話をしたのはいずれも80代の方々です。長い人生の中では言葉にできないほどの御苦労もあったことと思います。それでもこうしてにこやかにしている様子に、人間の強さを感じました。
別れ際には「また来てくださいね」「はい!きっと来ます」とちいさな約束が交わされました。