お知らせ
若林西復興公営住宅「早春せせらぎコンサート」へ
- 2015.2.26
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先月の荒井東に続いて、今日は若林区内に昨春できた復興公営住宅の集会所にお伺いしました。自治会の名前を若林西せせらぎ会と言います。みなさんと打合せの際に話し合いながら決めたコンサートのタイトルは「早春せせらぎコンサート」。
一部5階建ての公営住宅の向こう側には、仙台のシンボル広瀬川が流れ、堤防に登ればその姿を東西に一望することができます。
自治会である若林西せせらぎ会は、昨年秋に発足しました。その後、クリスマス会や新年会を開催し、全くこれまでバラバラな場所で生活してきた住民の交流を図ろうと様々に活動されています。ホワイトボードを見ると、健康麻雀や体操教室の文字もありました。役員をされているOさんは、元々音楽がお好きで、新聞記事などで音楽の力による復興センター・東北の活動や復興コンサートの記事を見て、どうしたら自分たちのところへも来てくれるだろう、とずっと思っていらしたとのこと。今回は、若林区社会福祉協議会に相談され、そこからお伺いすることが決まりました。(もし、これをご覧の仮設住宅や復興公営住宅のみなさんで、同じように思っていらっしゃる方がいましたら、どうぞお気兼ねなく、音楽の力による復興センター・東北へお電話くださいね。)本日の出演は、チームA’。仙台フィルから第2ヴァイオリン副首席の小川有紀子さん、チェロの山本純さん、そしてピアノの阿部玲子さんです。
女性陣はドレス姿で登場です。廊下で、あるお母さんから「あらぁ~かわいいこと!」と声がかかりました。
1曲目はエルガー「愛のあいさつ」。思っていた以上に響きのよいこちらの集会所、3人だけで、マイクも使っていないとは思えないほどの音量です。息の合ったアンサンブルに、あっという間に集会所はサロンコンサートの雰囲気になりました。
楽器の名前の話や、材質の話を挟み、それぞれの楽器のソロを。ヴァイオリンソロでは、サラサーテ作曲「序奏とタランテラ」。サラサーテの息をする間もないような小川さんの超絶技巧には、客席の皆様もびっくりした様子で、食い入るように見つめていらっしゃいました。後半には「四季のうた」をみなさんとご一緒に。小川さんも「この歌、久しぶりに聴いた!」とおっしゃっていましたが、春が待ち遠しい今の季節にも、なんとも、いい歌ですね~。なつかしいこの曲を、みなさん大きな声で歌ってくださいました。
今回、舞台の後ろには、手作りの看板が。そして、集会所の外から見えるように、窓にも「早春せせらぎコンサート」と切り文字を貼って宣伝してくださいました。
そんなみなさんのお心遣いに、始まる前から心を温かくした演奏者、スタッフ一同。
それだけではなく、リハーサルが終わって控室に戻ると「少しだけど、今、炊きたてだから温かいうちに食べて!」と炊き込みごはんのおにぎりが…。またもや一同感激し、お漬物とこちらも手作りデザートと一緒にごちそうになり、すっかり親戚の家に来たようにくつろいでしまいました。
これまでは仮設住宅で演奏させていただくことの多かったチームAのみなさん。今回は初めての復興公営住宅での演奏でした。これから仙台市内をはじめ各地で復興公営住宅の完成・入居が加速します。多くのみなさんの新しい生活の中にも、これまでと変わらず、音楽を届け続けていけたらと思います。若林西せせらぎ会のみなさん、また、ぜひともお会いしましょうね。